時代を超える唯一無二の存在感に宿る哲学、美しさを生み出す職人技…背景を知るほどに魅力が増す、「シャネル」の名品。上品な華やぎ、洗練されたモード感、主役級の存在感…。
だれもが心惹かれる「シャネル」の「コスチュームジュエリー」は、マドモアゼルの類いまれな美意識を、最高峰の職人の手技で形にした名品です。
今回は、ふたつの名工房の技についてご紹介します。
シャネルのコスチュームジュエリーを手がける名工房２選
オートクチュールのアトリエはフランス服飾文化の歴史と、伝統的な技術の継承を担う場所でもありますが、残念ながら、全盛だった20世記初頭に活躍した多くのアトリエが今はもうありません。
「シャネル」は1985年から伝統的なアトリエを傘下に収め、職人の手技を受け継ぎ、常に革新的で、新しい技術を磨く機会を設けています。その創作・発表の場が毎年12月に開かれる「メティエダール」コレクションなのです。
現在34社のアトリエが傘下にあり、そのうち「デリュ」と「ゴッサンス」が主にコスチュームジュエリーを手がけています。どちらも「シャネル」の洗練と品格にふさわしい作品づくりのために、いかなる難題にも応えながら、技術を磨き上げてきた名工房です。
ここではふたつのアトリエと、それぞれが手がけた最新作をご紹介します。
名工房その１ デリュ（Desrues）｜唯一無二の技術と創造性でモチーフを美しくアップデート
1929年創業。ボタンをはじめ、多様なコスチュームジュエリーに対応できる工房として1965年、「シャネル」のパートナーに。現在はパリ郊外の広大な敷地に工場を構え、レーザー彫刻や3Dプリントなど新しい技術に挑戦しています。
1点につき、数十段階に及ぶ工程を経て、繊細で美しい素材の組み合わせや、新しいシェイプを実現。デザインを進化させています。
300名を超える優れた腕をもつ職人たちを擁するアトリエでは、最新の機械を操作する一方で、細やかな手作業も幅広く行われています。
名工房その２ ゴッサンス（Goossens）｜マドモアゼルとともに歩み今も進化を続ける金銀細工のアトリエ
金銀細工の工房として、1954年からマドモアゼルとコラボレーションを続けてきたアトリエ。象徴的なバロックやビザンチン様式を思わせるネックレスをはじめとして、有名な鳥の巣風のイヤリングや獅子、麦の穂などのモチーフを使ったジュエリーもこの工房から生まれたものでした。
金細工は高価なジュエリーにも劣らず、ガラスやクリスタルの作品も本物の貴石と見紛うほどの美しさです。
精巧な金細工に石やクリスタル、象牙、べっ甲、エナメルといったさまざまな素材を合わせていく。まるで美術品のようなジュエリーは、すべてが細やかな手作業で仕上げられ、クチュリエの工房らしい優雅さが醸し出されます。
※掲載した商品はすべて税抜です。
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- EDIT&WRITING ：
- 藤田由美、古里典子（Precious）
