マーブル紙の起源は古い。1600年頃、オリエントからトルコ経由でヨーロッパに持ち込まれ、フランスとイタリアに定着。かつて、フランス紙といわれるほど、マーブル紙はフランスで流行したが、やがて廃れ、イタリアのフィレンツェに残った。
一瞬ですくい取る!ジュリオ・ジャンニーニのマーブルペーパー
見た目の美しいマーブル紙
1856年創業のジュリオ・ジャンニーニは、フィレンツェで最も古い歴史を誇るマーブル紙の工房。2代目のジュリオ・ジャンニーニさんが、皮革製の本の表紙よりも安価で、見た目の美しいマーブル紙を本の表紙に使ったことで、一躍人気を呼んだ。
現在、6代目のマリアさんが、マーブル紙の職人とPRを兼ねる。職人として40年のキャリアを持つ。実際にマーブル紙をつくりながら、その多様な柄を説明してくれた。渦巻き状になった色柄が、一般的なマーブル紙のイメージだが、「猫の目」「貝」「クジャク」「クシの目」など、様々な模様がある。
1980年代、ミッソーニ夫妻が工房に訪れ、マーブル紙の柄から着想を得て、あの鮮やかなニットに発展したというエピソードも教えてくれた。「瞬間芸術」のようなマーブル紙づくり。6世代にわたりものづくりの情熱を受け継ぐ、奇跡の工房だ。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 仁木岳彦
- EDIT :
- 矢部克已(UFFIZI MEDIA)