Precious現地記者がリモートで取材!世界各国のリモートライフ最新事情「上海編」
人気連載「Life is so Precious!」で世界各都市からレポートを発信してくれるPrecious記者が、世界中を巻き込んだコロナ禍の現状を報告。ステイホーム中に感じた働き方に対する意識の変化や暮らしぶりなど、ニュースではうかがえないリアルな声としてお伝えします。今回は、上海に在住し、編集・ライターとして活躍する萩原晶子さんがリモート取材で得た、世界のキャリア女性たちのリアルな実情と働き方の意識をご紹介します。
「ひと足先に日常を取り戻しつつある中国。最先端のIT技術が支える、ウィズ・コロナの未来を見据えた在宅ワークに期待します」(From Shanghai)
上海在住、萩原晶子さんがレポート
上海では、政府や行政からロックダウンなどの強制はありませんでしたが、「ウイルスが怖い」という理由で、自主的にリモートワークを選んだ人がたくさんいました。リモートワークを経て3月中旬には通常出勤が始まり、現在は新しい働き方が始まっています。
建築家のワン・リンさんは、「画面越しでは実際の色や空間の雰囲気が伝わらないため、収束の兆しが見えたらマスクと眼鏡で防備して、すぐに高速鉄道で地方の現場へ行きました」と 振り返ります。「全体的に不動産の価値が下がっているので、新たに何かやろうという人が出てきて、リノベーションや内装デザインの仕事が増えていると感じます」と期待しています。
一方、業界が大打撃を受けたという、 旅行プランナーのワン・チーさん。キャンセルに伴う怒濤の電話対応から始まったリモートワーク中は、中国茶とお香で気分を落ち着けていました。「中国茶を淹れていると、"待つ時間"の大切さを身にしみて感じるんです。おかげで、未来を冷静に見通せるようになりました」
もともと経済や物流のIT化が進んで いたこともあり、非接触型のサービスも一気に加速。街には料理の宅配ボックスや、店員の代わりにロボットのウミガメが料理を運んでくる「カレッタ・ランド」も。新しい暮らしが始まっています。
自宅兼事務所でインテリアづくりを
建築家のワン・リンさんは、武漢出身。家族、友人とも無事だったが、気が気ではない日々を過ごした。外出自粛中は、引っ越したばかりの自宅兼事務所のインテリアづくりをしながら気を紛らわせていたのだそう。
リモートワーク中のデスク
受注から設計、現場監督までを基本的にひとりで行うのが、建築家ワン・ リンさんのスタイル。リモートワーク中のデスクの上には、設計メモ、色見本、距離や高さを図る器具が。
広がるデリバリー専用宅配ボックス
急ピッチで設置が進む料理のデリバリー専用宅配ボックス。支払いや配達完了通知などすべてスマートフォン対応で、完全に非接触。保温、保冷が指定できるのも便利。マンションやオフィスビル、医療機関への設置も多くあります。
質の高い旅の提案に向けて進む、旅行プランナー
旅行プランナーのワン・チーさんは、現在も自宅でリモートワーク中。「今後は格安海外旅行ではなく、質の高い旅が求められるようになるはず」と、 もともと自身が得意としていた、大手代理店ではできない個性的なプライベート旅行に軸足をシフトし、提案を開始しました。友人の仕事を手伝いながら、新たに20代の若いスタッフを雇い、新オフィスも準備中と、再起に向けて進んでいます。
上海のキャリア女性たちが、コロナ禍の中でどのように働き、どんなライフスタイルで過ごしているのかご紹介しました。ぜひ、毎日をいきいきと過ごすヒントにしてみてください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 『Precious8月号』小学館、2020年
- ILLUSTRATION :
- 市村 譲
- EDIT&WRITING :
- 宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)