【目次】
- 「中秋の名月」とは? 「意味」や「読み方」をわかりやすく解説
- 2026年の「中秋の名月」はいつ? 満月の日と違う理由
- 「中秋の名月」の「由来」とは? お月見の風習が日本に伝わった歴史
- 「中秋の名月」と「十五夜」の違いは? 同じ意味なのかを解説
- 「中秋の名月」はなぜ「芋名月」と呼ばれる? 月見団子やススキを供える意味
- 「中秋の名月」の楽しみ方は? お月見の飾りや食べ物を紹介
- 「中秋の名月」に知っておきたい豆知識
【「中秋の名月」とは? 「意味」や「読み方」をわかりやすく解説】
■「読み方」
「中秋の名月」は「ちゅうしゅうのめいげつ」と読みます。
■「意味」
「中秋の名月」とは、「太陰太陽暦(旧暦)の8月15日の夜に見える月」を指します。秋の夜空に浮かぶ美しい月として、古くから親しまれてきました。
「中秋」は、旧暦で秋とされていた7月・8月・9月の真ん中にあたる8月、さらにその15日を指す言葉です。つまり「中秋の名月」は、文字どおり「秋の真ん中(=8月15日)の日に見る名月」という意味になります。一方、「名月」は、特に美しい月として愛でる月を指します。『デジタル大辞泉』では「中秋の名月」を「十五夜の月」とし、陰暦8月15日の夜に見える月で、一年で最も美しいとされ、月見をすると説明しています。
なお、「中秋」とよく似た言葉に「仲秋」がありますが、「仲秋」は旧暦8月そのものを指す言葉で、「中秋」とは意味が異なります。ご注意ください。
【2026年の「中秋の名月」はいつ? 満月の日と違う理由】
■2026年はいつ?
2026年の「中秋の名月」は、9月25日です。旧暦8月15日にあたる日が、現在の暦では9月25日になるからです。
■実は「満月」でないこともある「中秋の名月」
「中秋の名月」と聞くと、満月を思い浮かべる人も多いでしょう。でも実は、「中秋の名月」は必ずしも満月とは限りません。「中秋の名月」と満月の日付が一致しないことは、しばしばあります。
旧暦は月の満ち欠けをもとにした暦で、新月で月がまったく見えない状態の日を毎月1日と数え、毎月15日頃が満月に近い日になっていました。しかしながら、「天文学的な意味での満月」は、地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月のこと。そして新月から満月までの期間はぴったり15日ではなく、およそ14.8日です。このわずかなズレのせいで、「中秋の名月」よりあとに、天文学的な意味での満月を迎えることが多いのです。また、暦上の日付の区切りと月夜の区切りが一致しないことも理由のひとつです。
■2026年の「中秋の名月」は「満月」?
2026年は、9月25日が「中秋の名月」で、満月になるのは9月27日です。つまり、2日ずれています。実は「中秋の名月」と満月の日が2日離れるのは珍しく、前回は2017年(平成29年)、次回は2043年(令和25年)です。
2026年 中秋の名月:9月25日 満月:9月27日1時49分
2027年 中秋の名月:9月15日 満月:9月16日8時04分
2028年 中秋の名月:10月3日 満月:10月4日1時25分
2029年 中秋の名月:9月22日 満月:9月23日1時29分
2030年 中秋の名月:9月12日 満月:9月12日6時18分
2031年 中秋の名月:10月1日 満月:10月1日3時58分
【「中秋の名月」の「由来」とは? お月見の風習が日本に伝わった歴史】
■「由来」は?
「中秋の名月」をめでる風習は、中国から日本へ伝わったとされています。中国では唐の時代から、旧暦8月15日に月を眺めながら詩歌や管弦を楽しむ観月の宴が行われていました。この風習が日本に伝わったのは平安時代とされ、宮中では月を眺めながら宴を開き、詩歌を詠んだり、管弦の音色を楽しんだりする「観月」の風習が広まりました。
■日本では「月を愛でる行事」として定着
中国から伝わった月見の風習は、日本の文化のなかに取り入れられ、次第に日本独自のお月見へとかたちを変えていきます。平安時代の貴族たちは、空に浮かぶ月を直接眺めるだけでなく、水面に映った月を楽しむなど、月と周囲の風景を一体として味わったともいわれます。
やがて江戸時代になると、お月見の習慣は庶民の間にも広まり、秋の収穫に感謝する行事とも結びついて、現在のお月見へとつながっていったと考えられています。現代にも、「中秋の名月」にはお月見をする習わしが残っていますね。
【「中秋の名月」と「十五夜」の違いは? 同じ意味なのかを解説】
「中秋の名月」と「十五夜」は、一般的にはほぼ同じ意味で使われています。どちらも、「旧暦8月15日の夜の月」を指す言葉です。ただし、厳密にいうと「十五夜」のほうが広い意味をもっています。「十五夜」は本来、旧暦で毎月15日の夜を指す言葉でした。それが現在では、「十五夜」といえば、一般的には旧暦8月15日の「中秋の名月」を指すようになりました。
【「中秋の名月」はなぜ「芋名月」と呼ばれる? 月見団子やススキを供える意味】
■「中秋の名月」が「芋名月」と呼ばれる理由
「中秋の名月」は、「芋名月」とも呼ばれます。これは、十五夜に里芋などの芋類を供える風習があったことに由来します。かつての十五夜には、秋の収穫を祝う行事としての意味もあり、収穫した里芋やさつまいも、豆類、栗などを月に供える地域がありました。特に里芋は十五夜の代表的な供物だったことから、「芋名月」という呼び名が生まれたと考えられています。
■月見団子やススキを供えるのはなぜ?
月見団子は、秋の実りへの感謝や豊作への願いを込めて備えるものとされています。米粉などを丸めた団子を月に見立て、収穫への感謝や豊作への願いを込めて供えるようになったとか。一方、ススキは稲穂に見立てて飾るものとされ、豊作を願う意味が込められているほか、地域によっては魔除けになるとも考えられてきました。
こうして、十五夜には月を眺めるだけでなく、その年の収穫に感謝し、翌年の豊作を願う風習も結びついていったのですね。
【「中秋の名月」の楽しみ方は? お月見の飾りや食べ物を紹介】
■月を眺めながら、お月見を楽しむ
「中秋の名月」は、特別な準備をしなくても、夜空を見上げるだけで楽しめます。窓辺やベランダなど、月が見えやすい場所に月見団子やススキを飾れたらベスト。ゆっくり月を眺めてみましょう。
2026年の「中秋の名月」は9月25日です。この日は、東京では月が16時43分ごろに昇り、22時38分ごろに南中します。月の出や南中の時刻は地域によって異なりますが、月を眺めながら秋の風情を楽しむのもいいですね。
■月見団子と秋の味覚を楽しむ
お月見といえば、やはり月見団子。白く丸い団子15個をピラミッド状に積み上げるスタイルがよく知られていますね。団子を積み上げるのは、収穫への感謝や豊作への願いを月まで届けるためとされています。とはいえ、地域によって団子の形や味わいはさまざま。関西では里芋を思わせる細長い形の団子にあんを巻いたもの、静岡では中央がくぼんだ「へそもち」など、それぞれ特色があります。
■ススキや秋の草花を飾る
お月見の飾りとして欠かせないのがススキです。月見団子と一緒に飾るだけで、いつもの部屋にも秋らしい雰囲気が生まれます。ススキだけでなく、秋の草花を添えても。身近な草花を小さな花器に飾ったり、月見団子を器に盛ったりするなど、自分なりのお月見のしつらえを楽しむのも素敵です。
昔ながらのお供えを用意するのはもちろん、現代の暮らしに合わせて、ベランダや窓辺で月を眺めたり、月見団子を味わったりするだけでも十分。無理なく取り入れられる方法で、「中秋の名月」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【「中秋の名月」に知っておきたい豆知識】
■秋に「お月見」をするのはなぜ?
「満月」はだいたい月に1度は見られるものですが、なぜ「お月見」の行事は秋に行われるのでしょうか。秋にお月見をする背景には、中国から伝わった観月の風習や、秋の収穫に感謝する行事との結びつきがあります。また、「空が澄んでいて、月の高さがちょうどいいから」ともいわれています。ご存知の通り、満月は夏に低く、冬には高く空に昇ります。春と秋は満月が低すぎず高すぎずで、眺めるのにちょうどいい高さにあるのですが、春は「おぼろ月」という言葉もあるように、月がかすんで見えることも多いのです。
これに対して、秋の満月は、空に昇る高さがちょうどよく、空気も澄んでいるため、月がきれいに見えます。真冬の「お月見」は寒いですし、夏の暑さがひと段落し、過ごしやすい気候となる秋が、月を眺めるベストシーズンといわれるようになったのでしょう。
■「十五夜」だけでなく「十三夜」もある
日本では、旧暦8月15日の「十五夜」だけでなく、旧暦9月13日の「十三夜」にも月を愛でる風習があります。「後の月」「栗名月」「豆名月」などとも呼ばれ、「中秋の名月」と合わせて「二夜の月」と呼ぶこともあります。2026年の十三夜は10月23日です。
かつては十五夜の月見だけをして十三夜をしないことは「片月見」または「片見月」と呼ばれ、縁起がよくないとする地域もありました。
■月見団子の数は「15個」とは限らない
十五夜のお月見では、15個の団子を供えるスタイルがよく知られていますが、地域によって風習は異なります。十三夜には13個の団子を供える地域もあるなど、団子の数や形にはさまざまな違いがあります。同じ「お月見」でも、土地によって団子の姿や食べ方が違うのは、日本各地に伝わる年中行事ならではの面白さですね。
■「十五夜」は月を盗んでも怒られない?
十五夜には、地域によってちょっと変わった風習がありました。子どもたちが家々に供えられた月見団子や農作物を「盗んで」食べても、咎められなかったというものです。これは「月の神様が供物を持っていってくれた」と考えられたり、子どもに供物を持っていかれることを縁起のよいこととしたりする地域もあったといわれています。「お月見どろぼう」などと呼ばれるこの風習は、現在も一部の地域に残っています。
■「月見」は昔からロマンチックだった?
平安時代の貴族のお月見は、現代のように月見団子を食べながら月を眺めるスタイルとは少し違いました。月そのものを眺めるだけでなく、水面に映った月を愛でたり、月を題材に詩歌を詠んだり、管弦を楽しんだり……。月をきっかけに、景色や音楽、文学まで楽しむ優雅な宴だったのです。「月を見る」というシンプルな行為から、さまざまな楽しみ方を広げていたところに、昔の人の風流を感じますね。
■世界の「中秋の名月」
夜空に浮かぶ美しい月は、なんだか不思議なパワーに満ちているように感じられます。そのためか、「中秋の名月」には、世界各国でさまざまな行事が行われています。
・中国の「中秋節」
中国で中秋の名月に行われる伝統行事が「中秋節」と呼ばれるもの。中国では旧正月を祝う「春節」の時期に連休となり、多くの方が旅行に出掛けたり家族と一緒に過ごしたりします。中秋節にも同じように連休となり、中秋節は春節と並ぶ大切な伝統行事なのです。月餅を食べたり、提灯などを飾り、お月見を楽しんだりする習慣もあるそうです。
・韓国の「秋夕(チュソク)」
韓国にも「中秋の名月」に関連した行事があります。それが「秋夕(チュソク)」で、「ハンガウィ」とも呼ばれます。旧暦の8月15日の前後1日を含めた3日間が祝日となります。帰省して家族や親族が集まり、先祖を敬うという点では、日本のお盆と共通する面もあります。ただし、秋夕は秋の収穫を祝う韓国固有の重要な年中行事です。
・アメリカの「ハーベストムーン」
アメリカでは、それぞれの月の満月に「〇〇ムーン」と呼び名が付けられ、広く親しまれています。例えば、2月は「Snow Moon(スノームーン)」、6月は「Strawberry Moon(ストロベリームーン)」という具合。そのなかでも、秋分の日に最も近い満月は「Harvest Moon(ハーベストムーン:収穫月)」と呼ばれ、年によって9月または10月になります。2026年のハーベストムーンは、アメリカの現地時間では9月26日、日本時間では9月27日午前1時49分に満月を迎えます。作物の収穫を迎える繁忙期に、夜遅くまで作業を行う人たちを月明かりが照らしていたことに由来し、名付けられたそうです。
***
気象庁が2026年9月3日に発表した1か月予報によると、9月5日から10月4日までの全国の平均気温は、平年より高くなる見込みです。この時期を乗り越え、涼しい風が感じられるようになると、夜空の月も澄んで見えてきます。「中秋の名月」には「秋の七草」を飾り、美しい月を愛でながらゆっくりグラスを傾ける…そんな時間が叶わないなら、せめて電車の窓から、あるいは歩きながらでも、夜空に浮かぶ名月を探してみてください。わけもなく胸がキュッとする…秋の月夜は、そんな美しさに満ちているはずです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /国立天文台「中秋の名月(2026年9月)」(https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/09-topics03.html?utm_source=chatgpt.com) /国立天文台「中秋に月を見る」(https://www.nao.ac.jp/news/blog/2021/20210921-moon.html?utm_source=chatgpt.com) /農林水産省「日本の年中行事と食『十五夜とお月見団子』」(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2510/event03.html?utm_source=chatgpt.com) /国立天文台「暦Wiki」(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C3E6BDA9A4CECCBEB7EEA4C8A4CF.html?utm_source=chatgpt.com) :

















