世代にもよるが、服はほとんどネット通販で済ます、という人も少なくないのでは? でも、さすがにまだクルマを通販で、という人は珍しいはず。自動車界の至宝フェラーリなら、なおさらこの目で見なくては! 招く側も時代に即したアップデートを進めていて、目が離せない。まずは新しいブランドCIによってリニューアルした、六本木のショウルームをご覧あれ。

会員制クラブのような空間づくり

ブランドエクスペリエンス・ビデオウォール。
ブランドエクスペリエンス・ビデオウォール。
ロッソ・スクーデリアの概観。
ロッソ・スクーデリアの概観。

フェラーリのショールームが生まれ変わる。「ブランドのDNA である伝統、情熱、クラフツマンシップ、革新、そしてイタリアのヘリテージをさらに凝縮したものとなります」と、フェラーリ・ジャパンではする。

その嚆矢が、さる2020年10月7日にまずジャーナリスト向けにお披露目された、東京・六本木の「ロッソ・スクーデリア」のショールームだ。

たんにファサードやインテリアの壁の色が変わったというのではない。内容は多岐にわたる。動画でフェラーリの世界観を感じられるブランドエクスペリエンス・ビデオウォールがひとつ。

さらに、フェラーリの歴史を概観できるヘリティッジウォール、ライブラリ、デジタルシミュレーターで車両の詳細を体験できるコンサルティングルーム、オプションなどを検討できるアトリエパネルといったぐあい。

エスプレッソなどが提供されるコミュニティテーブルもある。「従来の一般的なカーディーラーとは異なり、居心地の良い空間でもてなされる会員制クラブのような雰囲気をめざしました」。フェラーリ・ジャパン代表取締役社長のフェデリコ・パストレッリ氏は言う。

やっぱりリアルは大事だ!

アトリエパネルでは、たとえばローマの顧客がボディカラーを選んだりする。
アトリエパネルでは、たとえばローマの顧客がボディカラーを選んだりする。
車両製品展示スペースではフェラーリの偉大なヘリティッジが飾られる。
車両製品展示スペースではフェラーリの偉大なヘリティッジが飾られる。

ショールームは自動車ショーと異なり、クルマのみならず、取り巻く世界を見せる場所だ。なので、クルマを完成させるまでが第一ステージで、売るのが第二ステージと言ったりする。

ディーラーに足を運んだひとは、ファサードの趣味、店内の色使いやただよう香り、じゅうたんの毛足の長さ、選ばれたソファやテーブルの色や組み合わせ、そしてサービスをしてくれるひとたちの服装やものごし、を瞬時に判断する。

フェラーリの新しいショールームに置かれた家具は、イタリアの高級ブランド「ポルトロナフラウ」のもの。つくりのよさと、座り心地と手触り、そしてデザイン。五感に訴えかけるつくりによって、フェラーリと世界観を共用できるブランドといえる。

これまで日本ではおなじみだったショールームによる対面販売。さいきんでは、オンラインなどを活用して、あたらしいかたちの販売形態も登場しているものの、やはりリアルは大事とどのブランドも口を揃えて言う。

たとえば、ローマやポルトフィーノMといった新しいGTを観るのもいいし、新世代のプラグインハイブリッドマシンであるSF90ストラダーレの全貌をショールームで見せてもらうのを楽しもうではないか。

居心地のよさそうなライブラリ。
居心地のよさそうなライブラリ。

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この記事の執筆者
自動車誌やグルメ誌の編集長経験をもつフリーランス。守備範囲はほかにもホテル、旅、プロダクト全般、インタビューなど。ライフスタイル誌やウェブメディアなどで活躍中。