仕事もプライベートも、自分らしくありたい。そんな女性のライフスタイルを一気に格上げしてくれるのがクルマです。助手席専門に甘んじることなく、自分でハンドルを握って、好きなときに好きな場所へ! 

そこで今回は、雑誌『Precious』のパートナーメディア『MEN'S Precious』で自動車記事を手がけるエディターの櫻井 香さんが、とっておきの場に合う英国車の最高峰、「ロールス・ロイス」の魅力を解説します。

馬車の時代から続く正統派の品格

新型「ゴースト」は10月5日に日本で初披露されました。全長は約5.5mもあります。
新型「ゴースト」は10月5日に日本で初披露されました。全長は約5.5mもあります。
こちらは通常の「ゴースト」よりもボディサイズが17㎝長い「ゴースト・エクステンデッド」。後席の足元に余裕を持たせた、ショーファー・ドリブン向きのモデルです。両モデルとも、新たにパルテノングリルが内側からLEDで淡く照らす演出が追加されました。
こちらは通常の「ゴースト」よりもボディサイズが17㎝長い「ゴースト・エクステンデッド」。後席の足元に余裕を持たせた、ショーファー・ドリブン向きのモデルです。両モデルとも、新たにパルテノングリルを内側からLEDで淡く照らす演出が追加されました。

――外出にはまだまだ気を使わなければなりませんが、そうはいいつつもイベント事が増えていくこれからの季節、とっておきの場を盛り上げるラグジュアリーな1台を教えてください。

「もっともフォーマルな場にふさわしいのは、セダンと呼ばれるタイプです。タクシーに使われる車両がそれにあたります」

――なぜフォーマルな場にふさわしいのでしょう?

「それは一番古典的な形状だからです。馬車の時代は先頭に馬、次に御者、屋根付きのキャビンに乗員、そして最後部にラゲッジ置き場というレイアウトでした。馬をエンジンに置き換えれば、セダンと同じになることがわかるでしょう。セダンはエンジンのあるボンネット部分とキャビン、トランクが隔絶されていることも、フォーマルな乗り物とされる理由。ちなみにボディサイズが大きく快適装備満載のモデルの場合は、サルーンと呼ぶことが多いです」

――そういうことなんですね! 

「その正統たるボディタイプを長くつくってきたのが、英国の老舗、ロールス・ロイス。先日、『ゴースト』というサルーンが新しくなり、メディア向けに披露されたので、取材に行ってきました。

ミニマルなデザインを取り入れて登場!

100年以上前から継承されている、ボンネット上のオーナメント「スピリット・オブ・エクスタシー」(「フライング・レディ」とも)。ギリシャ神話に登場する、有翼の女神「ニケ」を想起させます。
100年以上前から継承されている、ボンネット上のオーナメント「スピリット・オブ・エクスタシー」(「フライング・レディ」とも)。ギリシャ神話に登場する、有翼の女神「ニケ」を想起させます。
後席のドアは後ろを支点に開き(電動アシスト付き)、通常開きの前席ドアと合わせて観音開きとなります。ロングドレスの女性が優雅に乗り降りできる仕様です。といっても、やっぱり運転席でハンドルを握りたいですよね! ちなみに後席の左ドアには長傘が内蔵されていて、雨の日は先に降りた男性(あるいはショーファー)が後席から降りる女性に向けて、素早く傘をさせるようになっています。これもロールス・ロイスの伝統。
後席のドアは後ろを支点に開き(電動アシスト付き)、通常開きの前席ドアと合わせて観音開きとなります。ロングドレスの女性が優雅に乗り降りできる仕様です。といっても、やっぱり運転席でハンドルを握りたいですよね! ちなみに後席の左ドアには長傘が内蔵されていて、雨の日は先に降りた男性(あるいはショーファー)が後席から降りる女性に向けて、素早く傘をさせるようになっています。これもロールス・ロイスの伝統。

――ロールス・ロイスというと、とても大きなクルマというイメージです。どちらかというと、運転手付きで後ろの席に乗るものですよね?

「かつてはそうでした。『ゴースト』は、20世紀初頭に王侯貴族や富豪が愛用した『シルヴァーゴースト』がルーツです。昔と違うのは、必ずしもショーファー(お抱え運転手)付きで乗るとは限らないという点。自分でハンドルを握っても楽しめるような設計になっています。

――なるほど。それで新しくなった『ゴースト』は、どんなクルマなのでしょうか?

「正統派サルーンの堂々とした存在感を保ちながらも、より滑らかでミニマルなデザインとなっています。過剰な押し出しを抑えたことで、女性的なやわらかさのある、とても上品なスタイリングですね。ギリシャ時代の神殿を思わせる大きなフロントグリル、ボンネットの上に付くマスコットなどのアイコニックなディテールは、新型にも継承されています」

通称“魔法のじゅうたん”

内外装のあらゆるオーダーに対応できるのがロールス・ロイスの特徴。写真の車両には、前面パネルにLEDを埋め込んだ天の川のような加飾が施されていました。写真にはありませんが、天井にも光ファイバーを埋め込んだ「スターライトヘッドライナー」が装備されていて、乗員を幻想的なドライブに誘ってくれます。
内外装のあらゆるオーダーに対応できるのがロールス・ロイスの特徴。写真の車両には、前面パネルにLEDを埋め込んだ天の川のような加飾が施されていました。写真にはありませんが、天井にも光ファイバーを埋め込んだ「スターライトヘッドライナー」が装備されていて、乗員を幻想的なドライブに誘ってくれます。
後席の足元は、人が横になれるほど(!?)の広さ。素材の良さを生かしたアイボリーのシートも絶品です。デニムをはいて乗ることだけは避けたいところ(色移りするのとバックポケットの金属リベットが表皮を傷つけるため)。
後席の足元は、人が横になれるほど(!?)の広さ。素材の良さを生かしたアイボリーのシートも絶品です。デニムをはいて乗ることだけは避けたいところ(色移りするのとバックポケットの金属リベットが表皮を傷つけるため)。

――運転したときの感じも知りたいです。

「残念ながら新型はまだ試せていませんが、従来型はドアを閉めた瞬間、外の喧騒がうそのように感じられるほど、徹底した静粛性が図られていました。エンジンもかかってないのでは? と思うほど静かで、アクセルペダルを踏むとシュルシュル〜という、まるでエレベーターが横方向に移動するようなフィーリングで加速していきます。幽霊を意味する『ゴースト』という名前は、周囲に存在を感じさせないという意味が込められているそうです」

――幽霊とはちょっと怖い気もしますが、小泉八雲の文学作品のような、幻想的な世界観に引き込まれそう。

「乗り味は“魔法のじゅうたん”と称されるほど滑らかで、その点も幻想的ですね。新型はその特徴をさらに突き詰めているそうで、運転できる機会があれば、ぜひ試してみたいと思っています」

――そのときはぜひ後ろに乗せてください!

「いやいや、女性がハンドルを握ってこそ映えるし、ホテルのエントランスに停めたときの華やぎを、ぜひ体感してください!」

【ロールス・ロイス ゴースト】
ボディサイズ:全長5,545×全幅2,000×全高1,570㎜
価格:¥35,900,000〜(本体のみ・税込)

問い合わせ先

ロールス・ロイス・モーター・カーズ東京

TEL:03-6809-5450

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。