「トレンディーなアイテムを取り入れたいけれど、今年何を買えばいいのか分からない…」という方に向けて、ファッションジャーナリストの藤岡篤子さんが、最新モードをキャリア女性のリアルクローズに落とし込むテクニックを指南。vol1.では、「素材」と「色」の切り口から、今シーズンらしいスタイリングへとアップデートするテクニックをお聞きしました。
クラシック回帰のムードは継続。「レイヤリングで遊ぶ」ことでトレンディーに
「2020-21年秋冬コレクションは、ここ最近のクラシック回帰のムードは継続。正統派で気品があるデザインの服が目立ちました。アイテムひとつひとつはベーシックなものが主流なので、それをスタイリングでいかに遊ぶかが、ファッションを楽しむ際の肝になると思います」と、藤岡さん。
「ダウンコートのうえにジャケットやセーターを重ねる、あるいはダウンコートをダブルで着るなど、とにかく重ね方が多様化しているのも、今シーズンの特徴です。春夏ものと秋冬ものを組み合わせるなど、シーズンレスなアイテムを重ねてスタイリングを楽しむのも素敵だと思います」
それでは、コレクションで発表されたルックをリアルクローズとして取り入れるには、どのようにスタイリングするのがいいのでしょうか。「素材」と「色」の切り口から、今シーズンらしいスタイリングへとアップデートするテクニックを教えていただきました。
■1:上品な色香を漂わせる「厚手アウター×シアーなインナーのレイヤード」
まず、藤岡さんが注目するのは「厚手のアウター×シアーなインナー」のレイヤードスタイル。
「例えば、PRADA(プラダ)は、ウールのチェスターコートに、ブラトップが透けるドレスを合わせていました。グレーでまとめた「トーン・オン・トーン」のコーディネートを質感コントラストでメリハリをつけているところや、バッグの赤でアクセントをつけているところが素敵ですね」
「VALENTINO(ヴァレンティノ)でも、同系色でまとめシアーなインナーで女性らしさを加えた提案が多く見られました」
かっちりとした厚手のコートやジャケットの下に、レースやチュール、オーガンジーなどの透け感のあるインナーを合わせるというのは、キャリア女性にも取り入れやすいコーディネートなのではないでしょうか。
シャーリングやフリル、フリンジなど、今年らしいディテールが施されたインナーを選ぶことで、華やかさもアップしそうですね。
「シャツ・オン・シャツ」のルックにもご注目を!
また、「秋はシャツ・オン・シャツのレイヤードスタイルも新鮮です」と藤岡さん。
「大きさ違いのドットをレイヤードしているようなDOLCE&GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)のスタイルは、オフシーンにオススメです」
レイヤードスタイルを楽しむ上では、シルクやサテンなど、艶のある素材に重厚なベロアを合わせるなど、あえて素材の違いを楽しむのが大人の嗜み。レイヤリング次第で新たな魅力を発見できるかもしれませんね。
■2:自分らしさをさり気なく印象付ける「きれい色スカーフ&ネクタイ」
「今シーズンは、ぜひ差し色を効かせたスタイリングも楽しんでいただきたいです」と藤岡さんはいいます。
「彩り豊かなHERMÈS(エルメス)のスカーフは、ベーシックなニットトップスに添えるだけで顔周りがパッと華やぎますし、プラダのキレイ色ネクタイをスパイスにした提案も見逃せません。いつもの装いを新鮮に印象付けるパワーがありました」
キャリア女性がリアルクローズに取り入れるなら、クラシックでオーソドックスなファッションにプラスするのが良さそう。バッグのハンドルに巻いてアレンジするなど、スモールステップで始められる手軽なオシャレを意識してみてください。
■3:エコ意識を主張する「サステナブル カラー」
また、ファッション界でもエシカルへの意識が高まるなか、鮮やかなグリーンを取り入れた、サステナブルを連想させるルックも豊富にそろいました。
「これらのカラーをスタイリングに取り入れることで、着る人も、それを目にする周りの人も、心穏やかになれる効果もあるのではないでしょうか? 今シーズンをチャンスと捉え、自分に似合うブルーやグリーンを探してみるのも良いかもしれませんね」
今回は、ファッションジャーナリストの藤岡篤子さんに、秋冬のオシャレを手軽にブラッシュアップできるコツを教えていただきました。異素材のレイヤードやさり気なく個性を引き出してくれる差し色の取り入れ方などにチャレンジして、これから訪れるシーズンのオシャレを楽しんでください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 高橋京子
- EDIT :
- 石原あや乃