「トレンディーなアイテムを取り入れたいけれど、今年何を買えばいいのか分からない…」という方に向けて、ファッションジャーナリストの藤岡篤子さんが、最新モードをキャリア女性のリアルクローズに落とし込むテクニックを指南。vol.2では、「コート」にフォーカスします。
「正統派のコート」が豊富な今こそ、運命の1着を見つけるチャンス
「クラシック回帰で王道デザイン」という今シーズンのトレンドは、アウターにおいても顕著でした」と藤岡さん。「大胆で奇抜なものよりは、クラシックでベーシックなデザインのコートが多く見られました。本物志向の女性にとっては、バリエーション豊富にそろう今年は、自分に合うコートを見つけるチャンスだと思います。かっちりとしたチェスターコートや品の良いステンカラーなど、まずはオフィス用の定番コートをチェックしてみてください」
「MAX MARA(マックスマーラ)やCHANEL(シャネル)には、シンプルですが素材の上質感が伝わる逸品がそろっていました」
キャリア層にぴったりの、豊かなライフスタイルを感じさせるゆったりしたエレガンスが漂うラインナップは、実際に袖を通してみたいと思わせる魅力があります。
「色は、やはり大人の女性の2大カラーである黄味の強いキャメルとグレーがお勧めでしょうか。いずれも素材が良いとより美しく発色し、上品さやリッチ感が演出できます」
時代に寄り添い、多様化するコートトレンド。狙うべきは…?
withコロナ時代の今、コートトレンドにも変化が。「STAY HOMEが続き、洋服の着心地や素材の触感を大切にする人が、以前よりも増えたように思います」と、時代の変化とともにアイテム選びのポイントも移行してきていると藤岡さんは読み解きます。
そんななかで藤岡さんが気になるのが、「ケープ」タイプのコートだといいます。
■1:さらりと羽織れる「ケープ」は、今の時代性にもピッタリ!
「素材の良さを感じられて、動きやすさもあるケープタイプのコートは、今の時代性にもベストマッチ。今年もしアウターを1着だけ買うとするなら、私は迷わずケープを選びます!」
マックスマーラやLOEWE(ロエベ)、LORO PIANA(ロロ・ピアーナ)など、まさに今欲しいと思わせるケープが充実しています。車移動の多い方からも、使いやすいと注目されているようです。
■2:年々進化する「ダウンコート」も見逃せない!
「さらに、今年はダウンコートも豊富だったのでぜひチェックしてみてください」と藤岡さん。
「DIOR(ディオール)やSACAI(サカイ)のショート丈のダウンコートは、落ち着いた色でまとめた大人な雰囲気が素敵でした。そして、何といってもPRADA(プラダ)のテーラード風ダウンコートが斬新で印象に残りました。」
■3:クラフト感あるニットコートも見逃せない
そのほか、「ニットコートにチャレンジするのも今年らしい」とも。
「ドルチェ&ガッバーナのロングカーディガン風のニットコートは、ハンドクラフトの美しさや温かさが堪能できるデザイン。オフモードのラグジュアリーなアクセントとして、取り入れたくなりますね」
上級者には、モードが加速する「フリンジデザイン」がオススメ
最後に、コートで今年らしさを表現するディテールデザインをお聞きしました。
「ディテールで今年らしさを表現するなら、やっぱりロングフリンジのデザイン。印象的だったのは、BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)です。モデルが歩くたびに揺れる裾にあしらわれたロングフリンジが、この上なくエレガントでした。大人の遊びアイテムとしてチャレンジしてみてください」
■「パデッド」もフレッシュで機能的
「また、パデッド(中綿入り)も新鮮でした」と藤岡さん。トラッドなデザインのコートが、分厚く中綿を入れることで丸みを帯びたフェミニンなシルエットに変化します。
「例えばクロエが、キルティングステッチを幾何学柄のように効果的に使ったコートを提案していました。オフィス用のかっちりコートはすでにたくさん持っている! という女性にぜひ取り入れて欲しいなと思いました」
今回は、ファッションジャーナリストの藤岡篤子さんに、コートトレンドについてお聞きしました。スタンダードなシルエットの上質コートから、トレンディーなスタイルまで、幅広いスタイルをご提案いただきました。藤岡さんのアドバイスを参考に、それぞれのライフスタイルに合うぜひコートをぜひ新調してください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 高橋京子
- EDIT :
- 石原あや乃