「一切」ってなんと読む?「いっせつ」と読んだら赤っ恥です! 

本日12月10日は、スウェーデンの発明家・ノーベルの忌日で、例年『ノーベル賞』の授賞式が行われる日です。平和賞はノルウェーで、それ以外の賞はスウェーデンで行われるならわしですが、今年はコロナ禍の影響で、受賞者の居住国で事前に授与され、その模様が本日以降、オンライン公開される形になっています。

本日は、2020年のノーベル賞受賞者にちなんだ言葉をクイズでお送りします。

今年の受賞者の中には、4名、女性がいらっしゃいます。

『ノーベル物理学賞』史上4人目の女性受賞者となったアメリカのアンドレア・ゲッズさんは、「ブラックホール」の研究が評価され、

『ノーベル化学賞』では、「ゲノム編集」で画期的な手法を開発した、フランス出身でドイツの研究機関に属するエマニュエル・シャルパンティエさん、アメリカの大学教授・ジェニファー・ダウドナさんが揃って受賞。『ノーベル化学賞』史上、女性受賞者としては6、7人目に名を連ねました。

シャルパンティエさんとダウドナさんの研究により、ゲノム(生物の遺伝情報)の狙った部分を極めて正確に切断したり、切断したところに別の遺伝情報を組み入れたりすることが可能な手法が開発されたのです。この手法は、すでに作物の品種改良はじめ、病気の治療にも用いられているのだとか。

…ということで1問目は、「切断」の「」という字の入った難読クイズです。

【問題1】「一切」ってなんと読む?

「一切」という日本語の読み仮名をお答えください。

ヒント:「ぜんぶ/ことごとく/残らず」という意味の言葉で、この言葉が入った四字熟語に「一切合切」があります。

<使用例>

「研究者って、研究以外の一切が苦手…的なタイプも多いと聞くけれど、彼女たちはとてもファッショナブルでクールね!」

「○っ○○」…なんと読むでしょう?
「○っ○○」…なんと読むでしょう?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 一切(いっさい) です。

気づけばわかる問題?…正解できましたか?
気づけばわかる問題?…正解できましたか?

一切合切(いっさいがっさい)」は、ともに「ぜんぶ/ことごとく/残らず」という意味を持つ「一切」と「合切」を合わせる事で、より強調した言い回しです。

「一切(いっさい)知らないから!」など、話し言葉でもしばしば登場する言い回しながら、表記が「一切」であることは忘れていた、という方も多いのでは?文章で目にしたときにうっかり「いっせつ」と誤読すると恥をかいてしまいますので、ご用心ください。

さて、例文で少し触れましたが、今年の『ノーベル物理学賞』『ノーベル化学賞』を受賞された女性研究者たち、ファッションも生き生きと楽しんでいらっしゃるような、美しい方ばかりです。偶然にも3名みなさんの年齢が50代なのですが、自分自身の魅力をよくご存知の大人の女性たちの、生き生きとしたたたずまいからも、活力を頂けそうです。

…というところで、2問目に参りましょう。

【問題2】「遍く」ってなんと読む?

「遍く」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「普遍(ふへん)」の「遍」の訓読みで、意味は「及ばないところが無く。広く。まんべんなく。」です。

<使用例>

「詩って、凝縮された文章表現が、長く説明されるよりもずっと深く、遍く心に響く事があるのよね。」

「○○○く」と読み仮名3文字です。
「○○○く」と読み仮名3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 遍(あまね)く です。

 

さて、2020年の『ノーベル文学賞』にも、女性の受章者が選ばれています。詩人、ルイーズ・グリュッグさんは、子ども時代や家庭生活など、身近なテーマの作品で知られ、『野生のアイリス(The Wild Iris)』でピューリッツァー賞も受賞している、アメリカの代表的な現代詩人です。

ノーベル賞の選考委員会は「厳粛な美を伴う、まぎれもなく詩的な声で、個の存在を普遍的なものにした(出典:ノーベル賞202020年 NHK特設サイト 訳)(原文"for her unmistakable poetic voice that with austere beauty makes individual existence universal."」)と、グリュッグさんの作品を評価しています。

「universal=普遍的な」という部分が印象的でしたので、本日2問目のクイズは「普遍」の理解を深められる内容にしてみました。(ちなみに、過去のこの連載で「普」の訓読みも扱ったのですが、なんとこちらも「普(あまね)く」になります。)

オリジナルな表現でありながら、あまねく万人を共感させる部分を持っている、と評されたグリュッグ作品、ぜひ触れてみたいですね。

ちなみに、グリュッグさんは今年の女性受賞者では最年長の77歳ですが、この方もとてもファッショナブル!

輝き続ける女性の姿は、世の女性たちに勇気を与えてくれますね。

本日は、2020年の『ノーベル賞』の情報に触れながら、

・一切(いっさい)

・遍(あまね)く

という難読漢字をおさらいしました。

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Precious.jp編集部 
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The official website of the Nobel Plize /『ノーベル賞2020 NHK特設サイト』日本放送協会
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小出 真朱