「年魚」ってどんな魚?『日本書紀』にも登場するお魚、なんでしょう?
本日12月15日から、2021(令和3)年の年賀状の郵便受付が開始されます。元旦にお届けしたい場合は、12月25日までの投函が望ましいそうですよ。昨今は電子ツールで新年のご挨拶をなさる方も多いようですが、手に取って眺められる葉書の年賀状には、格別の趣がありますよね!
さて、本日は、年賀状にちなんだ漢字の難読クイズをお届けします。
【問題1】「賀ぶ」ってなんと読む?
「賀ぶ」という日本語の読み仮名をお答えください。
ヒント:「物や言葉を送って祝福する。祝う。ことほぐ。」という意味の言葉です。
<使用例>
「『年賀状』って、新年を賀ぶ御挨拶状、という意味なのね!」
…さて、正解は?
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正解は… 賀(よろこ)ぶ です。
「賀」の読み仮名で常用漢字表に入っているのは音読みの「賀(ガ)」のみですが、
訓読みは「賀(よろこ)ぶ」なのです。
「喜(よろこ)ぶ」という表記は、嬉しい気持ちを広く表現する言葉ですが、
「賀(よろこ)ぶ」は「=祝う」という意味です。年賀状の文章によく使われる表記「慶(よろこ)ぶ」と、ほぼ同意です。
おめでたい事をお祝いする会を「祝賀会」と言いますよね?
「喜ぶ」という表記ですと「自分」の気持ちを意味することが多いですが、
「賀ぶ」は、「お相手」のことや、「お相手も自分も共に」ことほげるような、広く大きなプラスの事柄について使用する表現です。新年のお祝いは、まさに「賀ぶ」ですね!
…さて、2問目は「年」という漢字の入ったクイズです。
【問題2】「年魚」ってどんな魚?
「年魚」と「香魚」、二つとも同じ魚を指す表記です。共通の読み仮名となる、魚の名前をお答えください。
ヒント:「占い」と関係する魚です!?
…さて、正解は?
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正解は… アユ(鮎/年魚/香魚) です。
「年魚(アユ)」という表記は、アユが、生まれて1年間で一生を終える寿命のサイクルを表現しています。
「香魚(アユ)」という表記は、食した際の香り高さを表現したものでしょう。
ちなみに「年魚」「香魚」とも、さまざまなデジタルツールで、漢字変換できる表記です。バラエティに富んだ表記を持つ、ということは、いかに日本人との関連が深いか、のバロメーターでもありますね?
実際、アユは、日本で大変古くから食されている魚で、『古事記』『日本書紀』にも登場しています。
「鮎(アユ)」という表記には「占」という字が入っていますが、
『日本書紀』に、神功(じんぐう)皇后が「釣り占い」をした魚としてアユが登場することから、「鮎」という表記との関連性があるのではないか?と言われています。
ちなみに今の時期…年末年始のころのアユは、卵もしくは稚魚です。
本日は、年賀状郵便の受付開始日にちなんで、
・賀(よろこ)ぶ
・年魚/香魚/鮎(あゆ)
などの難読漢字をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料/住吉神社(広島県広島市)ホームページ
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱