価値観や選択眼に変化が生まれたニューノーマル時代。多くの人がオーセンティックな物、より心地いい物に惹かれる流れの中で、ランジェリーライターの川原好恵さんは「下着も時を超えて愛される優雅さや機能美を備えた名品があらためて注目されている」といいます。さらに「名品と呼ばれる下着は女性に自信を与え内面から輝かせてくれる」とも。
大人の女性のワードローブにぜひそろえていきたいそんな名品下着を、物づくりの背景やストーリーを交えながらご紹介します。今回は豊かなバストをコンパクトに見せ、おしゃれの幅を広げてくれるブラ、STUDIO FIVE(スタディオファイブ)の「CuCute(キュキュート)」です。
E〜Iカップのバストの悩みを解決する名品ブラジャー、スタディオファイブの「キュキュート」
ワコールのハイファッション・インティメイトブランドとして1982年に誕生した「スタディオファイブ」。豊富な色や大胆なデザインで他のランジェリーブランドとは一線を画し、高い品質を保ちながら、新しい感覚のランジェリーを発信し続けています。「スタディオファイブ」は1999年から長年にわたって豊かなバストの方に向けたブラジャーを開発しており、デザインやカラーバリエーションを増やすことで、下着を選ぶ楽しさを提案してきました。
その実績を生かし、満を辞して2010年秋に誕生したのが「キュキュート」。その名はバストをキュキュッと小さく見せることに由来します。その後「豊かなバストをすっきりとしたシルエットでコンパクトに見せるミニマイザーブラ」とのコンセプトを広く定着させ、発売から10年を経た今も絶大な支持を集めています。
豊かなバストは魅力的である一方で「ファッションを思うように楽しめない」と言う声があるのも事実。例えば、「バストサイズに合わせると服のサイズが大きくなる」「前をボタンで留めるシャツやブラウスのボタン間の隙間が開く」といったお悩み。袖丈や着丈に合わせてシャツを選ぶとMサイズだけど、それでは胸囲がパツパツになってしまう。胸囲に合わせてサイズを選ぶと体にはワンサイズ大きいため全体がすっきり見えない、などなど。
また、ニットを着た時には「バストが目立って恥ずかしい」「もっと着やせして見せたい」という声も聞かれます。そんな豊かなバストならではの悩みを拾い上げて開発されたのが「キュキュート」なのです。
目指したのは「バストを目立たなくさせること」。試行錯誤を重ねながら、左右のカップを1つにつなげたパターンを生み出し、バストの突出を抑えながら、すっきりとしたシルエットと軽い着け心地を実現しました。ブラジャーのバストメイク機能といえば「寄せて、上げて」「谷間メイク」「バストアップ」など、大きく見せたり強調したりするものが多いなか、その真逆ともいえる「バストを目立たせない」「コンパクトにする」という機能を打ち出し、豊かなバストならではのお悩みに応えたのです。
このブラジャーのいちばんの特徴は、左右のカップを1つにつなげた構造で、通常、左右に2山できるバストを1つにまとめたこと。さらに、前中心に伸びないチュールを使用することで、1つにまとまったバストの突出を抑え、前からも支えて安定させコンパクトに見せます。
シンプルとレースタイプのデザイン、「Iカップ」サイズまで展開
ワイヤーが圧迫しにくい前中心が低いL字ワイヤーを使用し、外側に厚みのあるストラップで肩からズレにくいようにするなど、さまざまな工夫が施されています。
■1:服にひびきにくい「シンプルタイプのブラジャー」
カップの表面がつるんとしているので服にひびきにくい、シンプルタイプ。アンダーは70〜85、カップはE〜H展開。
■2:フェミニンな「レースタイプのブラジャー」
胸元のグログランリボンがポイントのレースタイプ。幾何学模様が浮かび上がるようなレースが上品です。アンダーは65〜85、カップはE〜I展開。
バストをコンパクトにまとめることで、例えば細身のジャケットやボディーラインを拾いやすいニットなど、これまでバストシルエットが気になってあきらめがちだったファッションを楽しむことができるように。バストにあったブラジャーがおしゃれの幅を広げてくれることを願います。
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- TEXT :
- 川原好恵さん ランジェリーライター
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- WRITING :
- 川原好恵
- EDIT :
- 石原あや乃