フレンチが食べたい!と思ってグルメサイトを検索したり、ガイドブックを見たときにちょっときになるのが、店名の頭に付いている「ブラッスリー」、「ビストロ」、「オーベルジュ」、「グランメゾン」、「カフェ」、「ブーランジェリー」といった枕詞。それぞれが何を意味するものなのか? 気になったりすること、ありませんか?
例えば「カフェ」は日本にもあるように、喫茶から軽い食事まで楽しめるお店。「ブーランジェリー」はフランス語でパン屋さんのこと。「オーベルジュ」は宿泊設備を兼ね備えたフランス料理レストラン。「グランメゾン」は和製フランス語で、実際にはフランスでは使用されていませんが、ウエイティングバーなどの設備がそろった、最高級のフランス料理店を表す言葉です。
そんな数あるフランス料理の業態のなかから、今回は「ビストロ」と「ブラッスリー」をピックアップします。
気軽に食事とワインが楽しめる”居酒屋”というイメージの「ビストロ」。では、そのカジュアルな印象が共通する「ブラッスリー」と、明確な違いがあるということを、ご存知だったでしょうか?
■「ビストロ」は気兼ねない雰囲気の飲食店
「ビストロ」は一般的な食堂に用いられる呼び名。 カジュアルで形式ばらずに、お酒や食事を楽しめる形態の飲食店を指します。
一説によるとロシア語の「ビストロ(早く!)」が由来なのだとか。
レストランよりも気軽に家庭的な料理や地方料理が味わえるのが「ビストロ」のよいところ。温かみがあり、気兼ねない雰囲気は、フランス現地の人が日常使いしているお店です。
■より大衆的でカジュアルな「ブラッスリー」
一方、「ブラッスリー」はビールなどのお酒類が楽しめる、「ビストロ」よりもカジュアルで大衆的な居酒屋。
「ブラッスリー」はもともと「ビール醸造所」を指し、フランスでもビールを飲むお店といったイメージなのだそう。「ビストロ」よりもお酒メインで行くお店、といったところです。
■実は現地フランスでも境界線が曖昧?
「ビストロ」と「ブラッスリー」の違い、いかがでしたか? どちらも気軽に仲間同士で賑やかに振る舞うことのできる飲食店ですが、「ブラッスリー」の方がよりカジュアルな居酒屋ということになります。
とはいえ、現地フランスでもその境が曖昧になっていることがあります。必ずしも厳密な境界があるというわけではありません。
フランス渡航の際は、お店の外観やメニューをチェックしつつ、この業態の違いも確認したうえでお店選びをすると、目的に叶う飲食店に巡り合えそうです。
【説明できる?】シリーズ
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 高橋優海(東京通信社)