イタリアンレストランや洋食店でたびたび目にする言葉、「ソテー」、「ムニエル」、「ポワレ」。いずれも「焼く」調理法であることはご想像いただけるかと思いますが、いざその違いを説明しようとすると、つまづいてしまいますよね。それぞれの定義をわかりやすく、紐解いてみます。
■1:食材を少量の油で炒め焼きにするのが「ソテー」
日常の食事の場面でも馴染み深い「ソテー」は、「平らなフライパンで肉や魚、野菜などの材料を少量の油やバターなどで炒め焼きする調理法」を指します。
もともとの語源はフランス語で「跳ぶ」を意味する動詞「sauter(ソテ)」の過去分詞形「sauté」。調理の際に油が飛び跳ねる様子が由来とされています。
「ソテー」のポイントは、短時間に素早く食材に火を通すため、材料をできるだけ薄く切り、フライパンを揺するなどして具材を動かして調理すること。
付け合わせでよく見られる「ほうれん草のバターソテー」や「きのこのソテー」を思い浮かべていただくと、わかりやすいですね。
■2:魚に粉類をまぶし、バターなどで焼くのが「ムニエル」
では、家庭料理としても親しみのある「ムニエル」は?
ずばり「ムニエル」は「魚に小麦粉等の粉類をまぶし、バターなどで焼く調理法」のこと。魚は切り身でも丸ごと1匹でも構いません。
「ムニエル」という名前は、フランス語で「粉屋」「製粉業者」を意味する「ムニエ」の女性形に由来します。「粉屋の奥さんの方法で」=「à la meuniere(ア・ラ・ムニエール)」が省略され、現在の呼び名になりました。
■3:肉または魚の切り身を油でカリッと焼き上げる「ポワレ」
レストランのメニューでよく目にする「ポワレ」。実はその定義はシェフによっても解釈が異なり、明確な定義づけが難しいところ。
現在の「ポワレ」の主流な解釈としては、「肉または魚の切り身を少量の油を引いたフライパンで、表面がカリッと香ばしくなるまで焼き上げた調理法」のこと。
「ムニエル」と違い、小麦粉などの粉類は一切使わず、調理中に出てきた油を素材にかけながら、焼き上げていきます。
■メニュー選びでぜひ復習を!
「ソテー」、「ムニエル」、「ポワレ」の違い、いかがでしたか? それぞれをおさらいすると、
・「ソテー」は食材を少量の油で炒め焼きにする料理。
・「ムニエル」は魚に小麦粉などの粉類をまぶし、バターなどで焼く料理。
・「ポワレ」は肉または魚の切り身を油でカリッと香ばしくなるまで焼き上げる料理。
改めて理解すれば、食べる前の楽しみもより深まります。メニュー選びで、ぜひ今回の単語を復習してみてくださいね!
【説明できる?】シリーズ
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 青山梓(東京通信社)