「工面」ってなんと読む?うっかり「こうめん」と読まないでくださいね!
令和2(2020)年も、とうとう最後の1日を迎えましたね。もうすぐ、新たな年がやってきます。
今年は色々と大変な事の多い1年でしたが、来年は社会全体に明るい光が差しますように。我慢の時にこそ、心身をしっかりと充電しておきましょうね。
さて、12月31日といえば大晦日。この日の話題と言えば、どうしても「年末」に絡んだものが多くなりますが、このシリーズでは、あえて、全く方向性の違う日本の快挙に関するトリビアをお送りしましょう。
平成27(2015)年のこの日に、「アジア初の快挙」とも言われる日本発の功績が実を結んだこと、みなさま、ご存知でしょうか?日本の理化学研究所が生成に成功した「新元素」が、『国際純正・応用化学連合(IUPAC)』によって正式に元素認定され、元素周期表の、欠番だった113番を埋めることになったのです。
のちにつけられた元素名は、その名も「Nh(ニホニウム)」。理系の学生たちが必死に「すいへーりーべ、ぼくのふね・・・」と覚える、あの元素周期表の113番には、以降、「Nh(ニホニウム)」が加わっているのです!
「元素」とは、「物質を構成する最小単位(原子)の種類」の事です。
ジュエリーに使用する「金(Au)」「銀(Ag)」などは、それ自体が元素であり、
水(H2O)は、2種類の元素・「酸素(O)」と「水素(H)」が結びついた化合物です。
私たち人間や、建物、植物、土など、この世のあらゆる物質はすべて、さまざまな元素によって構成されており、その種類を、解明されている限り網羅した一覧表が「元素周期表」です。現在解明されている118種の元素の中に、数年前に新たな一種が入ったことは、本当に歴史的な出来事なのです!
…というところで、1問目のクイズです。
【問題1】「元利」ってなんと読む?
「元利」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「元本または元金と、その利息」という意味の言葉です。
「放っておいた投資が意外と成功していて、元利合計額を見て、驚いてしまったわ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 元利(がんり) です。
「元素(げんそ)」のように、「元」という字は「げん」と読む例が多いですが、
投資や借金の「元(もと)の金額」を表す場合は、「元本(がんぽん=元の投資額)」「元金(がんきん=元の借金額)」と読みます。これと利息を合わせて「元利(がんり)」です。
年末年始はお金を管理する機会も多い時期ですので、クイズで触れてみました。
…というところで、2問目に参りましょう。
【問題2】「工面」ってなんと読む?
「工面」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「てはずを整えること」などの意味を持つ言葉です。
「そういうことなら、まとまったお金を工面しておくわね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 工面(くめん) です。
「工」という字も、「人工元素(じんこうげんそ)」のように「こう」と読む例が多いですが、
「工面」は「くめん」と変則的な読み方をしますので、うっかり読み間違わないようお気を付けください。
さて、「Nh(ニホニウム)」は「人工元素」です。
「物質を構成する最小単位ということは、元素は分解して得られるものではないの?『人工元素』なんて、変だわ?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
「人工元素」は、人為的に作られた条件下でのみ得られる元素で、自然界には存在しないモノ、ということになりますが、
これを新たに得る事により、人類が「全く新たな物質の素材」を手にした、というような形になります。
「Nh(ニホニウム)」はまだ、実用的な使用法まではたどり着いていませんが、実用化についてイメージで表現するならば「錬金術」的な作業、と言えるでしょうか?
新たな元素を発見することにより、人類は、後進にバトンをつなぐ、化学のロマンを手にしたことになるのです。
本日は、元素「Nh(ニホニウム)」のトリビアと合わせて、
・元利(がんり)
・工面(くめん)
という、読み間違いしやすい熟語ををおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:探究学舎『オンライン探求・元素編』(株式会社ワイズポケット)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱