ただいま国立新美術館開館10周年として2017年12月18日(月)まで開催されている「安藤忠雄展―挑戦―」。テレビやWEBでも話題になっているこの展覧会について、気になっていた方も多いのではないでしょうか。
まずは、安藤忠雄さんのチャーミングなお人柄が伝わる、記者会見での動画をご覧ください。本稿では、建築ファンでなくても楽しめる本展の見どころを6つ、ご紹介します!
■1:安藤さんご本人が語る音声ガイドは必聴
安藤忠雄さん自ら、14作品について見どころを語る音声ガイド(¥550 税込)。今回の展示は建築物そのものではなく、模型や写真、インスタレーションが主なので、作品に込められた想いを知って見ると、より理解が深まり、安藤さんの人物像にも近づけます。
■2:建築家以前の貴重な資料も展示
今回は安藤さんの活動の軌跡を「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものをつくる」「育てる」という6つのセクションに分けて紹介。
「原点/住まい」のセクションでは、建築家になる以前の旅の記録も展示されています。ここで目に留まったのが、旅先でのスケッチの数々。安藤さんのルーツとなる視点が、垣間見えるうえに、単純に絵として見ても素敵なんです。
■3:精緻な模型での再現にときめきます
お手伝いの学生などの手を借りて、すべての建物の模型は、安藤さんの事務所で制作。さまざまな素材を用いてつくられた模型は、その建物のロケーションや構造が素人にもわかりやすく伝わるのです。
■4:安藤さんの仕事場を完全に再現
安藤事務所の机周りを、大量な私物を持ち込んで再現。建築家のデスクを見る機会も珍しいですが、安藤さんがどういったものにインスピレーションを受けているのかなど、興味深く見ることができます。
■5:実物大の「光の教会」で光や風を感じる
大阪府茨木市にある、安藤建築の代表作品「光の教会」を、原寸大で再現! これは撮影可能スポットにもなっています。十字架部分はガラスのない吹き抜けになっていて、光や風をそのまま感じさせたいという安藤さんの希望が、実物ではかなわなかったものの、この展示では実現しました。
■6:スケールの大小問わず、惜しみない情熱を発揮
今回の展覧会では、実際の建築物になったものだけではなく、実現はしなかったものの計画案の模型や資料も多く展示。世界を代表する建築物をあれだけ手掛けながらも、プロジェクトの予算や規模に関わらず、惜しみなく情熱を注ぎ、メッセージを発信していることがわかります。
建築ファンならずとも、安藤忠雄さんという稀代の建築家の今まで、そしてこれからを改めて知ることができる、国立新美術館開館10周年「安藤忠雄展―挑戦―」。建築が社会に果たす役割など、今まで意識してこなかったことについても学べる、貴重な展覧会でした。
問い合わせ先
- 国立新美術館開館10周年「安藤忠雄展―挑戦―」
- 場所/国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場
会期/開催中~2017年12月18日(月)
開館時間/10:00~18:00(※金、土は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで)
休館日/火
観覧料/一般¥1,500、大学生¥1,200、高校生¥800
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
住所/東京都港区六本木7-22-2
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 安念美和子