ただいま国立新美術館開館10周年として2017年12月18日(月)まで開催されている「安藤忠雄展―挑戦―」。テレビやWEBでも話題になっているこの展覧会について、気になっていた方も多いのではないでしょうか。

まずは、安藤忠雄さんのチャーミングなお人柄が伝わる、記者会見での動画をご覧ください。本稿では、建築ファンでなくても楽しめる本展の見どころを6つ、ご紹介します!

■1:安藤さんご本人が語る音声ガイドは必聴

光が未来へ向かう希望を感じさせる展示会の看板

安藤忠雄さん自ら、14作品について見どころを語る音声ガイド(¥550 税込)。今回の展示は建築物そのものではなく、模型や写真、インスタレーションが主なので、作品に込められた想いを知って見ると、より理解が深まり、安藤さんの人物像にも近づけます。

■2:建築家以前の貴重な資料も展示

若いころの写真もたくさん展示

今回は安藤さんの活動の軌跡を「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものをつくる」「育てる」という6つのセクションに分けて紹介。

建築家としての未来を感じさせる上手なスケッチ。こちらは1984年にイスタンブールで描かれたもの

「原点/住まい」のセクションでは、建築家になる以前の旅の記録も展示されています。ここで目に留まったのが、旅先でのスケッチの数々。安藤さんのルーツとなる視点が、垣間見えるうえに、単純に絵として見ても素敵なんです。

■3:精緻な模型での再現にときめきます

大淀のアトリエⅡ(1989-1991)コンクリート模型 1/50のスケールで再現

お手伝いの学生などの手を借りて、すべての建物の模型は、安藤さんの事務所で制作。さまざまな素材を用いてつくられた模型は、その建物のロケーションや構造が素人にもわかりやすく伝わるのです。

都市ゲリラ住居(計画案、一部実現)1973年、雑誌『都市住宅』にて発表された、3つの個人住宅の計画案。

■4:安藤さんの仕事場を完全に再現

<<安藤忠雄の仕事場>>の再現

安藤事務所の机周りを、大量な私物を持ち込んで再現。建築家のデスクを見る機会も珍しいですが、安藤さんがどういったものにインスピレーションを受けているのかなど、興味深く見ることができます。

■5:実物大の「光の教会」で光や風を感じる

美術館の敷地内に、こんな静かな建物が。展覧会後にこの再現した建物をどうするかは決まっていないそう。

大阪府茨木市にある、安藤建築の代表作品「光の教会」を、原寸大で再現! これは撮影可能スポットにもなっています。十字架部分はガラスのない吹き抜けになっていて、光や風をそのまま感じさせたいという安藤さんの希望が、実物ではかなわなかったものの、この展示では実現しました。

シンプルなのに圧倒される「光の教会」の外観

■6:スケールの大小問わず、惜しみない情熱を発揮

ブルス・ドゥ・コメルス(進行中) パリの商工会議所を改装し、2019年に美術館としてオープン予定。もとの19世紀の建物をいかしつつ、内部にコンクリートの円柱をつくって展示スペースにするという、斬新かつ壮大なプロジェクト。

今回の展覧会では、実際の建築物になったものだけではなく、実現はしなかったものの計画案の模型や資料も多く展示。世界を代表する建築物をあれだけ手掛けながらも、プロジェクトの予算や規模に関わらず、惜しみなく情熱を注ぎ、メッセージを発信していることがわかります。

「“建築をつくること”と“森をつくること”は、場所に働きかけ、新しい価値をもたらすという点において、同義の仕事です」と、安藤忠雄さんは語ります。植樹活動に協力した企業とのコラボレーションを、お茶目な展示で紹介。

建築ファンならずとも、安藤忠雄さんという稀代の建築家の今まで、そしてこれからを改めて知ることができる、国立新美術館開館10周年「安藤忠雄展―挑戦―」。建築が社会に果たす役割など、今まで意識してこなかったことについても学べる、貴重な展覧会でした。

問い合わせ先

  • 国立新美術館開館10周年「安藤忠雄展―挑戦―」 
  • 場所/国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場
    会期/開催中~2017年12月18日(月)
    開館時間/10:00~18:00(※金、土は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで)
    休館日/火
    観覧料/一般¥1,500、大学生¥1,200、高校生¥800
    TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
    住所/東京都港区六本木7-22-2

この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
安念美和子