「之」って1文字だとなんと読む?役割が変わります!
明日、2月11日は『建国記念の日』ですね。「建国記念日」ではなく「建国記念の日」と「の」が入ります。この「の」は意図的に入れられているのですが、ご存知でしたか?
「の」が入っている理由は「新暦2月11日が、日本の建国された日なのかどうか、現在の歴史学では確実には特定できないから」です。
日本の「建国」がいつだったか、については「初代天皇である神武天皇の即位日」とされており、それがいつであるのかを研究した有識者たちによれば「現代の暦に換算すると、たぶん、おおむね、2月11日」なのだそうです。「正確な期限と特定できないのに、建国記念日など定められない」という有識者の意見が多く、祝日名が「建国記念日」ではなく「建国記念の日」になったのです。
「の」が入ることで、「建国した当日を記念した日=建国記念日」ではなく、
「建国された、という事実を、単に祝う日」という意味合いにしてあるのです。
なるほど、「の」一つで、言葉のニュアンスが変わりますよね?
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「之」ってなんと読む?
「之」という漢字の、1文字で単語として成立する読み方をお答えください。
ヒント:指示代名詞です。
<使用例1>
「之は、どなたの持ち物でしょうか?皆さま、ご確認お願いします。」
<使用例2>
「お客様に、あのようにお喜びいただき…之までの苦労が報われます!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 之(これ) です。
「之」という漢字、「○○之○○」のように、二つの単語をつなげ、前の言葉を主語と表す助詞「の」として使用する例がお馴染みですが、
一文字で独立した単語になると「之(これ)」と読みます。文章上の役割も変わるのですね。
この字を「これ」と読む文章は、よほど古いもの以外、一般的には出会わないと思いますが、
「之久(これひさ)」「之高(これたか)」など、人名に使用される例がありますので、読み仮名が「之(の)」だけではないこと、心に留めておきましょう。
…さて、2問目です。
【問題2】「之く」ってなんと読む?
「之く」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「目的地に向かっていく。おもむく。」という意味を持つ言葉です。
<使用例>
「この道をまっすぐ、道なりに之くと、お探しの神社に着きますよ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 之(ゆ)く です。
「博之(ひろゆき)」「之成(ゆきなり)」など、こちらの読み方も、人名でしばしば出会いますね。
本日は、2月11日『建国記念の日』のトリビアをお送りしながら、
・之(これ)
・之(ゆ)く
などの読み方をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱