「覆る」って、読めますか?「ふくる」ではないですよ!読めないと恥ずかしい!
明日・2月19日は、「地動説」を唱えたことで有名な、天文学者・コペルニクスのお誕生日です。
1473年生まれのコペルニクスが、70歳の時(日本は戦国時代の頃)に発表した自著『天球の回転について』の中に記された「太陽中心説(地動説)」は、当時の主流であり常識であった「地球中心説(天動説)」とは全く異なっており、激しい糾弾の対象となりました。当時としては奇想天外な学説であった、という意味だけではなく、コペルニクスはカトリック司祭としても活動していたため、当時、天動説を採用していたカトリックの教義に反する、ということでも批判されたのです。…大変な勇気をもって、自信の信じる学説を発表したのですね。
『天球の回転について』が出版された年には、コペルニクスはすでに病に倒れており、この著書の校正刷りを病床で受け取った当日に亡くなった、とされているので、批判の矢面に立つ間もなかった、という点は、不幸中の幸いだったかもしれません。
「地動説」が実証されるまで、コペルニクスの没後200年もの歳月が必要でした。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】「覆る」ってなんと読む?
「覆る」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「ひっくりかえる」という意味を持つ言葉です。
<使用例>
「地動説って、コペルニクスが発表した当時は、常識が覆るような異端の説だったのね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 覆(くつがえ)る です。
後に哲学者カントは「常識を覆すような発想や展開」を『Kopernikanische Wende(独語)(コペルニクス的転回)』と表現しました。この言葉は今でも、「Copernican Revolution(英語)」など、世界中で使用されています。
…さて、2問目は、「常識」の「常」という字の入った難読単語です。
【問題2】「常しえ」ってなんと読む?
「常しえ」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「いつまでも変わることなく続くこと。」という意味の言葉です。
<使用例>
「地動説が常しえの真理と証明されたことを、コペルニクスさんに伝えて差し上げたいわね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 常(とこ)しえ です。
「常(とこ)」は「いつも変わらない、永遠である」などの意味を持つ接頭語で、「常夏(とこなつ)」などの熟語にも使用されています。
「常(とこ)し」は「常(とこ)」を形容詞化した言葉です。
ここに、「行方(ゆくえ)」などの言葉につかわれる「方(え)」、つまり、「方向、向き」を表現する言葉が合わさり、「常しえ=いつまでも変わることなく続くこと。永遠。」という言葉を構成しています。
本日は、2月19日、「地動説」を唱えたコペルニクスのお誕生日にちなんで、
・覆(くつがえ)る
・常(とこ)しえ
という、常用漢字の読み方をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『誰も読まなかったコペルニクス:科学革命をもたらした本をめぐる書誌学的冒険』オーウェン・ギンガリッチ著、柴田裕之訳(早川書房)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱