年間約1,000万⼈以上が訪れる九州屈指の観光スポット、太宰府。太宰府天満宮のお膝元として歴史的価値の高い史跡が数多く現存し、豊かな自然と歴史遺産が体感できるまちです。

そんな太宰府エリアの新たな楽しみ方を提案するのが、令和イヤーの2019年10月、天満宮の傍らに誕生した「ホテル カルティア(HOTEL CULTIA) 太宰府」です。

江戸末期や明治期に建てられた邸宅をリノベーションしたというこちらのホテル。客室はエグゼクティブルーム1室に、スタンダードルーム3室と、プライベート感の強い小規模なホテルである点も魅力的です。

2021年3月27日(土)に新たに2棟9室をオープンした「ホテル カルティア 太宰府」。ホテルの見どころやホテルステイを満喫するポイントを、当ホテルを運営するバリューマネジメントの西江初依さんに伺いました。

まちに溶け込むように泊まる。風情ある古民家で上質なホテルステイがかなう「ホテル カルティア(HOTEL CULTIA) 太宰府」

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太宰府のまちで大切に受け継がれてきた歴史的建造物を活用した「ホテル カルティア 太宰府」
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ホテル名の由来は「CULTURE(文化)」から。「門」をイメージしたモダンなロゴが目印です

現代の太宰府にホテルとして生まれ変わった風情ある建物は、太宰府天満宮の神官を務めてきた吉嗣(よしつぐ)家が所有する古香庵(ここうあん)。江戸末期から昭和にかけ、三代にわたり活躍した絵師の元邸宅で、敷地内には母屋、土蔵、日本式庭園が広がっています。

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ホテルの本丸・古香庵。「古香」は梅を意味し、吉嗣家初代と親交が深かった三条実美が命名したという逸話も
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客室や母屋のダイニングからも臨むことができる中庭。四季折々の豊かな自然を楽しむことができます

「現存する建物は1911(明治44)年に建て替えられたもので、昭和中期から2016年まで会席料理店として使われていました。水回りなど宿泊に必要な機能は整備しましたが、趣がある外観や梁などはそのまま残していますので、日本家屋の意匠と建物に刻まれた時の流れに想いをはせることができます」(西江さん)

ホテルのコンセプトは「まち全体がホテル」。ホテルに泊まるというよりは、太宰府のまちそのものに泊まるイメージを掲げ、まるでそのまちで暮らすように泊まる体験を楽しむ「泊まれる太宰府」を目指しています。

「当ホテルのような、歴史的建造物や空き家を改修し、宿泊施設として利活用する分散型ホテルには地域活性化の狙いもあります。

太宰府はもともと飲食店や宿泊施設が少ないエリアで、観光で訪れた方が短い滞在時間で博多などほかのエリアに流れてしまう点が地域の課題でした。これから太宰府にいらっしゃる方には、ぜひ当ホテルを旅の拠点に利用していただき、昼に限らず夜の太宰府の雰囲気も味わっていただければ幸いです」(西江さん)

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まちや建物の歴史と背景を尊重した上で作られたホテルだからこそ、「まちに溶けこむように泊まる」体験ができます

おこもりステイに最適!離れのような構造でプライベート感を確保

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木造建築がもつ温もりや懐かしさを活かしたモダンな空間。大川家具や久留米絣(くるめがすり)など、館内の随所に福岡の工芸品を採用しています

当ホテルの特筆すべき点は、各部屋が離れのように独立した建物の構造。部屋によっては、土間を活用したフロントで鍵を受け取ったあと、庭を通りながら入室するというユニークな導線が敷かれています。

「母屋奥のスタンダードルームは、もともと大広間だったスペースを分割して作ったお部屋のため、うち2室(103・104)はお庭の散策を楽しみながらお部屋に入る珍しい作りになっています。

限られた部屋数でプライベート感を確保できますので、都会の喧騒から離れてゆっくり過ごされたい方はもちろん、コロナ禍におけるソーシャルディスタンスや三密を気にされる方にもリラックスしてお過ごしいただけます」(西江さん)

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36~45平米の広さで落ち着いて過ごせるスタンダードルーム ※写真は古香庵102
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大きな窓から外の景色を眺めてぼんやりと過ごすもよし。快適な空間でゆったりくつろげます  ※写真は古香庵103

日本家屋の風情ある雰囲気を味わえるようにと、照明も落ち着いた明かりを採用。「特別なひとときを過ごしてほしい」というホテルの計らいから、部屋にテレビや時計を置かないといった潔い工夫も施されています。もちろん、上質なホテルステイに欠かせない寝具やアメニティにもホテルのこだわりが見え隠れ。

「シーツや枕カバーは最高級リネンを使用し、アメニティも純国産天然シルク由来のスキンケア『SILMORE(シルモア)』を設置しております。お風呂もこだわりの檜風呂をご用意していますので、癒しのひとときを過ごしていただければと思います」(西江さん)

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当ホテル自慢の職人さんの手作りによる檜風呂。木の香りに包まれながら極上のバスタイムを

元の建物が邸宅だったこともあり、同じスタンダードルームでも、各部屋で作りが微妙に異なるそう。一度といわず、二度三度と訪れれば、泊まるたびに新たな魅力を発見できそうですね。

館内のレストランで地産地消!九州×世界の絶品フレンチに舌鼓

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中庭の景色を楽しみながら食事ができるレストラン ルアン

ラグジュアリーホテルのいいところは、外出しなくても館内のお食事処で一流のグルメを楽しめる点。もちろんこちらのホテルも例外ではありません。

レストランのコンセプトは、フランス料理をベースにした地産地消。九州のブランド食材と国内外の高級食材を融合させた本格フレンチで、地元の旬の味を楽しむことができます。

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関西で活躍するフレンチ界の巨匠・石井之悠氏が料理を監修
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ランチやディナーのほかに、カフェタイムにはアフタヌーンティーも ※写真は「あまおう苺のアフタヌーンティー」

レストランのみの利用も可能とのことで、オープン以来地元の方にも好評だそう。九州の小石原焼や有田焼といった、料理を引き立てるこだわりの食器もお見逃しなく。

エグゼクティブルームを独り占め!1棟貸し切りできる中庭の蔵が凄い

格別なおこもりステイを満喫できる当ホテル。コロナ禍の影響でニューノーマルな旅行プランが求められる今、特におすすめしたいお部屋がエグゼクティブルームだそう。

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1914年(大正3年)に建てられた土蔵を改装した58平米のエグゼクティブルーム。1階がリビングスペース、2階がベッドルームと広々としたメゾネットタイプで唯一無二の宿泊体験を ※写真は古香庵101

「土蔵をリノベーションしたエグゼクティブルーム(101)は、一棟まるごと貸し切りできるお部屋となります。百年以上前に建てられた歴史的価値の高い蔵に泊まるという貴重な体験ができ、ここでしか味わえない特別感あふれるホテルステイをお楽しみいただけます」(西江さん)

新棟オープンで、九州旅プランの期待値が高まる

そして、2021年3月27日(土)に新棟がオープンし、ホテルを楽しむ選択肢がさらに増えることに。

「今回新たに好古亭(こうこてい)、梅花(ばいか)の2棟9室が加わりました。好古亭は大正~明治前期の建物で、太宰府市の『歴史的風致形成建造物』にも登録されています。棟の名前は平安時代の歌人、小野好古(おののよしふる)の名前「古(いにしえ)を好む」が由来で、もうひとつの梅花は、令和に由縁がある平安時代の歌詠の会『梅花の宴』が由来となっています。

当ホテルの強みは太宰府天満宮のすぐ隣にあるところですが、ほかにも見どころはたくさんあります。最近は寺社仏閣巡りを楽しむ方が多く、なかでも『宝満宮 竈門(ほうまんぐう かまど)神社』は、おしゃれなお札やお守りを豊富に取り揃えていてSNSを中心に人気が高まっています。当ホテルから車で10分ほどの距離にありますので、お越しの際はぜひこの辺りの散策も楽しんでみてください」(西江さん)

■好古亭/梅花 概要

【料金】
・素泊まり料金 2名1室 ¥48,400程度
・1泊2食付き 2名1室 ​¥69,300程度
※料金は利用人数、時期などに応じて変動


令和ゆかりの地・太宰府の新たな楽しみ方を提案する「ホテル カルティア 太宰府」。ホテルは今後も増床していく予定で、最終的には7〜8棟、30室を⽬指すとのこと。古香庵、好古亭、梅花に続く今後の展開にも乞うご期待です。

問い合わせ先

ホテル カルティア 太宰府

TEL:0120-210-289

  •  
  • 住所/福岡県太宰府市宰府3-3-33

この記事の執筆者
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WRITING :
石川聡子
EDIT :
小林麻美