雑誌『Precious』5月号から新連載「My Action for SDGs 続ける未来のために、私たちがしていること」が始まりました。

本記事では国連広報センター 所長の根本 かおるさんの活動をご紹介します。

根本 かおるさん
国連広報センター 所長
(ねもと かおる)テレビ朝日にてアナウンサー、記者を経て米コロンビア大学大学院で修士号を取得。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)にて難民支援活動に従事。国連WFP(世界食糧計画)広報官、国連UNHCR協会事務局長を歴任。’13年から現職。

日本での国連の広報責任者としてSDGsの普及をけん引

気候変動や環境破壊、貧困や教育など対策を打つべき問題が山積みの私たちの世界。今やこの問題は誰も避けて通れない状況だ。国連が掲げる世界目標であるSDGsは、'16年から徐々に認知を高め、今では多くの団体が取り組んでいる。

根本さんは、国連広報センターの所長として、日本のSDGsの普及に努めるリーダーだ。

「SDGsは2030年の達成が目標ですが、残念ながらそのメドはまったく立っていません。国連ではSDGsのアクションを加速させるため、昨年から“行動の10年”を始め、呼びかけていました」

そこに起きた新型コロナの世界的流行。目標達成はさらに遠のいた。

「新型コロナからの復興には、SDGsの考え方やビジョンが大きな役割を担っていると思います。新型コロナでまず打撃を受けたのは医療や保健の分野でしたが、その影響は瞬く間に経済、雇用、教育へと広がりました。

それぞれの問題はつながり合い、解決するには問題を分断せず、包括的に見ることが大事でSDGsが基本とする"統合性"と重なります。

また、これまでギリギリの生活を送っていた人が苦境に陥っている現状や世界のワクチン格差を見ても、SDGsの原則“誰ひとり取り残さない”ことが復興にはとても重要。

私たちは、コロナ前に戻るのでSDGsを羅針盤に、よりクリーンで公平な世界へと移行する必要があるのです」

吉本興業やサンリオとタッグを組みSDGsをわかりやすく伝えるなど、発信の仕方もユニークだ。

【SDGsの現場から】

国連とハローキティとのSDGs推進でのコラボを発表

サステナブル_1
‘19年の国連総会ハイレベルウィークに合わせ、N.Y.の国連本部からユニークなコラボを発信。

「一見難しく聞こえるSDGsを、だれもが自分が関わっていい場だと思えるよう伝えていきたい。さぁ行動の10年、一緒にアクセルを踏み込んでいきましょう!」

さまざまな国や地域でつくられたストーリー性あふれるアイテムを愛用

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廃棄されたビーチサンダルからつくられたケニアのアニマルオブジェもお気に入り。

「SDGs(持続可能な開発目標)」とは
’30年までに持続可能なよりよい世界を目指す国際目標のこと。17のゴール・169のターゲットから構成。

PHOTO :
篠原宏明
WRITING :
大庭典子
EDIT&WRITING :
大庭典子、喜多容子(Precious)