マックスマーラやドルチェ&ガッバーナなど、Precious.jpでも人気の海外トップブランドのプレスを歴任してきたロイ・明美さんによる連載企画。

結婚を機に英国へ渡りロンドンで暮らし、2014年からはスコットランドへと住まいを移した彼女の素敵なカントリーライフを、自然、食、インテリアなどさまざまな側面からお伝えします。

今回ご紹介するのは、英国発祥の“チャリティ・ショップ”について。日本でも近年リサイクル・ショップが増えてきましたが、英国ではもっと生活に根付いているとともに、社会貢献の精神も加わっているのです。

“古き良きもの”との素敵な出会い!

英国ではアンティークショップやマーケットが数多く、また大きなフェアが定期的に開催されるなど、“古き良きもの”と出会える場所がたくさんあります。

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屋外で開催されることが多い、アンティークマーケット

なかでも英国発祥の「チャリティ・ショップ」は、どの街や村のハイストリートに必ずある、慈善事業を行う組織・団体によって運営されているショップです。人々が不要になったものを無償で寄付し、販売して得た売上がチャリティー団体に寄付されます。

洋服やアクセサリーから家具、食器、本、レコードなどあらゆるものがあり、富裕層が住む街や村の「チャリティ・ショップ」では、ブランド品やヴィンテージの食器、骨董品など高価なものが格安で並んでいることも。

本やヴィンテージアイテムに特化したショップもあり、私のアパートメントがある村のショップは、家具、食器、衣類を扱う「ヴィンテージ・チャリティ・ショップ」です。

店主はヴィンテージルックをおしゃれに着こなす女性で、お店のスタッフもボランティア。売り上げはすべてホスピスに寄付されます。みなさんおしゃべり好きの楽しい人たちなので、行くとあっという間に時間が経ってしまうほど。

クオリティチェックもしっかりされていてコンディションのいいものが多く、入荷したものの由来を教えてくれたりもします。なんと言ってもイングランドで買うよりも、断然お安く値付けされているのが魅力。素敵な出会いがないかと、こまめに通ってチェックしています。

そんな「ヴィンテージ・チャリティ・ショップ」で買い求めた中から、特に“掘り出しもの”だったアイテムをいくつかご紹介します。

■1:「プジョー」のコーヒーミル

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「プジョー」のコーヒーミル(£15=約¥2,300)

自動車でおなじみの「プジョー」は、コーヒーミルも有名です。こちらの手挽きタイプは昔ながらのオーソドックスなスタイル。豆を入れる蓋を開けると漂ってくるコーヒーの香りと、手で豆を挽いていく時の音と感触が心地よく、お気に入りです。

ネジを回すと挽き具合も調節できるので、まるでプロのコーヒーバリスタになったよう。コーヒーの美味しさも増します。

■2:1950年代のカラフルなティーセット

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1950年代のカラフルなティーセット(£20=約¥3,000)

色違いのカップ&ソーサーとティーポットのセットは、1950年代に作られたものだそう。その時の気分に合った色を使い分けるのも楽しいアイテムです。

■3:「ブラウンベティ」のティーポット&フレンチのガラスドーム

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「 ブラウンベティ」のティーポット、フレンチのガラスドーム(各£10=約¥1,500)。

英国ではどの家庭にもひとつはある、伝統的な丸い形が特徴のブラウンベティのティーポット。茶色が主流ですが、それぞれ違うヴィンテージ・ショップで見つけたのは、黄色と黄緑。

フレンチのガラスドームは、チーズ、お菓子、お花、アクセサリーなど、好きなものを入れて使えます。

■4:陶器のマーマレード瓶

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ヴィンテージのマーマレードの瓶(£2=約¥300)

ヴィンテージのマーマレードの瓶には、さまざまな種類があります。こちらはレーベルのプリントもなく、どっしりとした安定感と自然な色が特徴の陶器製。花瓶にしたり、カトラリーを入れたり…ラスティックな風合いで、いろいろと活用できる嬉しいアイテムです。

■5:計量器とアイロン台

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計量器 (£20=約¥3,000)、アイロン台 (£10=約¥1,500)

昔ながらの天秤型の計量器は、ベーキングの時に粉などを量るために使っています。アイロン台は、熱くなったお鍋やフライパン、お皿などを置いて。

古くても、どれも実際に使えるものばかり。日常の暮らしに役立っています。

ものを大切にして、使わなくなっても捨てずに、また使ってもらえるよう受け継いでいく…それが英国では昔からごく当たり前のこと。感心するとともに、ひとつひとつのものに物語があるような気がしてきます。

これからも丁寧に、大切に、楽しんで使っていきたいと思います。

今日のおすすめ「なごみワンコ」は… まるで人間のようなサラザーくん

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僕も運転しています!
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自分の写真を見つめながら、時々吠えているサラザーくん。

アパートメントのお隣さんのサラザーくんは、時々自分は人間だと思っているのかしらという行動を…。運転している横で同じように座って前を見ていたり、PCに表示された自分の写真を見て吠えていたり、いつも笑わせてくれます。


以上、スコットランド在住のロイ明美さんの連載第10回をお届けしました。

ささやかだけれど丁寧で、センスのよさが随所に感じられる「リアル・ラグジュアリー」なライフスタイル。次回はどんなエピソードが届くのか、ぜひお楽しみに!

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この記事の執筆者
東京生まれ。父の仕事の関係で小学生時代をペルーのリマで、高校から大学までを米国シカゴで過ごす。帰国後、ジョルジオ・アルマーニ、マックスマーラ、ロメオ・ジリ、シンシア・ローリー、モスキーノ、ドルチェ&ガッバーナと海外有名ブランドのプレスを歴任。東京で知り合ったスコットランド出身のカメラマンのご主人と8年の遠距離恋愛の末、2005年に結婚して英国へ。 撮影コーディネートや、伝統工芸の取材執筆などを手がけながら、温かくセンスのいいカントリーライフを楽しんでいる。掲載写真の多くは夫のコリン・ロイ氏によるもの。インスタグラムアカウント:akemi_okumura_roy
PHOTO :
COLIN ROY