大人の顔にメリハリを与える眉メイクの基本は「太眉」。眉を変えるだけで目の印象がはっきりとし、たるみで間延びした顔を引き締めて、劇的に若返らせてくれるからです。
でも、太眉の描き方をマスターしていないと、顔の印象がぼやけたり、顔の横幅が広がって見えたり、かえってたるみが目立つことにも……。そこで、陥りやすい3つの残念ポイントを検証し、「美人な太眉」を徹底解説。さらに、ウィークポイント別の描き方テクもご紹介します。
まずは残念眉の直しどころを、3つのタイプ別にチェック
■1:眉山が外側すぎて、顔の横幅が広がって見えるタイプ
【BEFORE】顔のたるみや表情筋のゆるみで眉が外側にズレているのに、そのままの形で眉を描いているため、眉山の位置が外側すぎるパターンです。さらに眉間も広がっているから、小顔でも大きな顔に見えてしまいます。
[美人太眉にするには]眉頭を描き足して広がった眉間を狭め、眉山を中央に寄せることで引き締まった存在感のある目元に
【AFTER】顔の横幅が広く見えた原因は眉間があきすぎて、眉山が外にズレていたから。これを眉メイクで矯正したら、求心力が生まれて中高い小顔に変化。眉尻の長さも出たことで横顔も引き締まりました。
■2:眉下のラインがえぐれた「かっくん眉」で、きつい印象になってしまうタイプ
【BEFORE】眉は弓形に描く、という思い込みが強く出てしまったパターンです。若いころに抜きすぎて、眉が生えてこなくなったタイプに多く見られます。かっくん眉はきつい印象を与え、さらに、目との距離が離れているためハレまぶた&目が小さく見えるという弊害も。
[美人太眉にするには]えぐれた眉下を太くまっすぐに仕上げることで、目と眉の間隔が狭まり若々しい表情に!
【AFTER】眉下を抜きすぎた弓形の眉は、間延び顔の原因でもあります。解消するには、眉下を太らせる以外に手立てはありません。眉下を描き足すことで、ハレぼったく小さかった目が、くっきりと大きく強い印象に変わりました。
■3:眉尻が短い直線眉が、かえってたるみを目立たせているタイプ
【BEFORE】眉山を描けていないストレートラインだし、眉尻が短いのも残念です。目元を引き上げたい一心で眉尻まで上げてしまった例ですが、目尻ラインと離れることで、ますます下がり目尻を強調し、たるんだような印象……。
[美人太眉にするには]眉尻をのばし、眉山をグッと内側に描きます。正面と横顔の境界をはっきりさせることで、ゆるんだ顔が締まりシャープな小顔に変身!
【AFTER】眉尻がなく、眉山の位置が定まらないのが原因だから、眉山を正しい位置につくり、眉尻を正しい長さに描くだけでグッとメリハリ感が出ます。たるんだ頬までもリフトアップしたような錯覚効果が得られます。
グンと美人眉になれる、「眉頭」「眉山」「眉尻」の描き方テクニック
美人太眉のコツがわかったところで、次は眉のウイークポイント克服テクを部分別にご紹介。せっかく時間をかけて描いた眉メイクで損をしないためには、知的でだれからも好感が持たれる美人太眉をマスターすること、これに尽きます。
そこで、「眉頭」「眉山」「眉尻」にポイントを絞り、それぞれ4ステップで描き方をマスター。自分の眉の「ココが足りない」を補って、キュッと引き締まったシャープな小顔を手に入れましょう。
■1:「眉頭」は毛並みを強調し、メリハリを与えるのが正解
1:小鼻の付け根の延長とノーズシャドウの上辺が交わったところが眉頭の先端。そして、眉毛の合流点とは、上と下から毛流れが合わさっている部分。そこに、まずは底辺を描きます。
2:1と同様、眉頭の上辺も眉の合流点が起点。色を足さずに、そのまま描くと薄づきになって失敗しません。描いたら鏡でチェックして、足りなければ色を足すくらいでOK。
3:眉頭の下から鼻の付け根へとさっと指でぼかして。ノーズシャドウはメリハリづくりに効果的ですが〝のせている〟ことがわかっては作為的に映り、おかしな厚化粧顔に。色がほとんどわからないくらいでちょうどいいのです。
4:眉頭の毛を眉マスカラで起こして、ふさふさ感の演出を。眉の上辺から勢いよくはみ出すくらい、しっかり立ち上げます。
【POINT】美人太眉では、眉頭の縦幅を眉の真ん中の縦幅と同じくらいに仕上げるのがポイント。また、「眉頭」の毛を眉マスカラでぐいっと立ち上げて強調すると、まるで眉全体までもがふさっとして見える効果あり。目元のメリハリ感、若々しさが断然違ってきます。
■2:「眉山」は思いきって内側に描いて小顔効果を!
1:鏡を見ながら、黒目の外側の延長線上に眉山の位置を確認。太め眉の場合、ちょっと内側の方が顔の横幅が狭まって引き締め効果アップ!
2:アイブロウペンシルで眉山を厚めに描き足します。太さを出したいからと眉の上側をはみ出して描くと不自然になるので注意!
3:眉山の頂点にペンシルを置き、眉尻方向に描いていきます。眉山が鋭角的になったら、綿棒でなじませましょう。
4:寝ている毛を起こし、眉山方向へと毛を立ち上げます。ペンシルよりも眉マスカラで立体感を強調するほうが自然な仕上がりに。
【POINT】なるべく自眉の上辺の高さに合わせ、ゆるやかに仕上げます。最初は鋭角的になってもいいので眉山を正しい位置に描くことだけに集中し、描いたあとに綿棒で「眉山ライン」を修正すれば、失敗なくキレイに仕上がります。
■3:「眉尻」眉下は太くまっすぐ。眉尻を上げればリフトアップ効果も!
1:毛が密集している〝眉毛の合流点〟を起点に、ブラシを眉に対して縦に持って描きます。横置きで描くよりも幅が太くなり、一気に描けます。
2:眉尻の〝止め〟は、眉頭の高さより少し上に。眉尻が長すぎるとたるみや目尻の下がりを強調してNG。眉尻ラインはなだらかに下げて、生え際ラインと平行になるように仕上げます。
3:1の下のパウダーアイブロウを使って、眉頭の底辺から眉山の下=眉下ゾーンを描き足します。ここはいくら太くしても不自然にならない唯一の場所なので、えぐれた範囲を埋めるように、パウダーをのせて。
4:最後は眉マスカラで整えます。太さを出したいからと眉マスカラを多く塗りすぎると、毛束ができて不自然な印象になるので要注意。あくまでも毛だけにつくように、軽いタッチで塗布すると失敗しません。
【POINT】重要なのが、眉尻の止め位置。小鼻と目尻を結んだ延長線、眉頭の底辺の位置より少し上にすると、自然に目尻が上がり、目が大きくなります。美人太眉の要である“太さ”は眉下のみに出すこと。ここでいう眉下とは、眉頭から1cm外側から眉山あたりまでの底辺のこと。ここを太くまっすぐに埋めることで、眉と目の間隔が狭くなり、目力が生まれ、まるで彫りの深い顔になったかのような錯覚効果が得られます。
以上、美人になれる太眉の傾向と対策をお届けしました。眉は顔の中で唯一、〝自分で自由に変える〞ことができるパーツ。自分の力で美人に一歩近づきましょう。
- PHOTO :
- 鈴木 宏(人物)、戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー/静物)
- STYLIST :
- 富岡百合子
- HAIR MAKE :
- 尾花ケイコ
- MODEL :
- 大原里絵、小倉まき、清水由美子
- EDIT&WRITING :
- 荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)