「敵は本能寺にあり」…有名な言葉だけれど、ことわざとしてはどう使う?
明日、6月2日は、日本で最も有名で人気のある戦国武将の一人、織田信長の忌日『信長忌』です。
信長が、臣下であった明智光秀の裏切りによって没したエピソードや、光秀が発したとされる「敵は本能寺にあり」という言葉を知らない日本人はいないでしょう。「敵は本能寺にあり」は、ことわざとしても使用されています。
…というところで、本日1問目のクイズです。
【問題1】ことわざ「敵は本能寺にあり」ってどういう意味?
ことわざとしての「敵は本能寺にあり」の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:あまりにも強大な難敵である
2:敵をあざむく作戦をとろう
3:本当の目的は別にある
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 3:本当の目的は別にある です。
1582(天正10)年、明智光秀が、備中の毛利勢を攻めると見せかけて出陣し、京都・本能寺の織田信長を襲ったことから、「敵は本能寺にあり」をことわざとして使用する場合の意味は「本当の目的や目標は、表面に掲げている事とは別にある」になります。
会話で使用する場合、以下のような例になります。
<使用例>
「本プロジェクトは、当社サービスの拡大を名目にしてはおりますが、その実、過疎地域のインフラを整備し社会に貢献したい、という社長の理想に添ったもので…『敵は本能寺にあり』なのです。」
あまりにも有名な言葉ながら、ことわざとしては、意外と意味をカン違いしている方も多いようです。お気をつけ下さい。
…さて、2問目のクイズです。
【問題2】「敵愾心」ってなんと読む?
「敵愾心」の読み方をお答えください。
ヒント:「相手に反発し闘おうとする気持ち」という意味の言葉です。
<使用例>
「あの方、私への敵愾心が透けて見えるようで、なんだか怖いわ。」
…さて、正解は?
「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 敵愾心(てきがいしん) です。
「愾」という字、日常的には「敵愾心」という言葉以外であまり使用する例がなく、「気」と似た部首が特徴的であることから「てきぎしん」という誤って使われる例に、しばしば出会います。大人の誤読は、周囲も正しにくいものですので、皆様、お気をつけください。
本日は、6月2日『信長忌』にちなんで、
・敵は本能寺にあり
・敵愾心(てきがいしん)
などの日本語をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱