トゥールーズ=ロートレックのリトグラフを観に、東京・丸の内の三菱一号館美術館へ行ってきました。

有名な『ムーラン・ルージュ』のポスター。大きすぎて3枚に分けて刷られている!

ロートレックは誕生日が私と同じ11月24日なので、勝手に親近感を覚え、わりとよく観に行く作家です。

今回はロートレックの作品を中心に19世紀末から20世紀にパリで活躍した作家の版画や、ポスターを集めた展覧会。アムステルダムのファン・ゴッホ美術館からも、関連作品が多数来日しています。

1890年から1905年の15年間、パリでは新しい芸術として版画やポスターの文化が花開きました。それまでの絵画至上主義からの転換。特権階級が室内で観る芸術から、街角で大胆に人々の目を引くスペクタクルな大衆の芸術へ。若いアーティストたちが新しい視点で自分たちの熱い思いをぶつけた作品は、どれもワクワクしながら観てしまいます。ちょうど現代の紙媒体からデジタル媒体への移行のような、価値観が大きく変化した時代だったのでは?と思います。でも結局は絵画にも版画にも、紙にもデジタルにもそれぞれの魅力があるのです。

チケットには『ディヴァン・ジャポネ』の女性が。この作品も日本趣味の影響が感じられます

作品のなかには日本の浮世絵の影響を受けているなぁと感じるものもあって、興味深い。2018年1月8日まで開催されています。(写真・文/中村絵里子)

この記事の執筆者
美しいものこそ贅沢。新しい時代のラグジュアリー・ファッションマガジン『Precious』の編集部アカウントです。雑誌制作の過程で見つけた美しいもの、楽しいことをご紹介します。
TAGS: