自由に、肩肘張らずに、好きなネタを好きなだけ…。今、鮨がおもしろい!『Precious』7月号では、「多様化する『鮨』が楽しい!」と題して、住宅街の一角にあって個室も完備、ドリンクとのペアリングや、程よい価格で本格鮨を好きなように楽しめる、などのこだわりをもつ鮨店に注目。
フードジャーナリスト 森脇慶子さんとともに、「気兼ねない日常使い」が叶う2021年の名店をご紹介しています。「あぁ、おいしいお鮨が食べたい」。そう思ったときに気軽に行けるお気に入りの一軒、見つけませんか?
[東京・西荻窪] 鮨 まるふく
地元の人だけでなく全国から鮨通が押し寄せる「熟成鮨」の名店は10年経っても進化中
名店が軒を連ねグルメな住民が集う西荻窪に店を構えて10年。「町鮨がひしめくなか、差別化を図るためにも『熟成鮨』で勝負しました」と店主の伊佐山豊さん。
「今でこそ耳慣れた熟成鮨ですが、当時は大変だったはず。ご主人の熟成鮨への情熱と努力で、今や熟成鮨の名店といわれるほどになりました。変わらない熟練の味と温かい雰囲気は安定感抜群。今こそ行きたい一軒です」と森脇さん。
伊佐山さんいわく「魚は手間暇かけることで、魚本来のもつ力、うま味を一層味わうことができる」とか。魚ひとつひとつに向き合い、それぞれを最もおいしくする方法で熟成したネタは、濃厚なうま味と香り、ねっとりとした食感がクセになります。常に進化する高い技術を学びに同業者も多数訪れますが、「減るもんじゃない」と惜し気もなく気さくに質問に答えているとか。
「鮨を口に入れた瞬間、お客様が目をつぶってじっくりと味わう姿をチラ見するのがなによりうれしいですね(笑)。また、地元の方に『西荻窪にまるふくがあってよかった』と言われると、長くこの地でやってきてよかったなとしみじみ思います」(伊佐山さん)
五島列島のアオリイカは27日熟成。ねっとりと溶けるような味わいに悶絶! 米酢のシャリで。
うま味がぎゅっと凝縮した淡路島のイワシは28日ねかせたもの。実は、食べた後の余韻が一番長い握りがこちら。
これぞ「まるふく」のスペシャリテ。お酒で洗って乾燥させてから6日間ねかせたシマエビを贅沢に3匹使用、最後に自家製のエビじょうゆ、エビ味噌、エビ塩で仕上げ。包み込まれたシャリとの一体感がたまりません。
白身の熟成は「まるふく」の真骨頂。この日は千葉産のワラサを1週間ねかせて。シャリは米酢と赤酢の2種を使用。ネタによって使い分けている。
西荻窪駅から徒歩約5分。利き酒師の資格をもつ女将におすすめを相談できるのもうれしい。熟成鮨ならではのうま味に合う女将厳選の日本酒は常時20種ほど。こだわりの酒器で。
檜の一枚板を使用したL字カウンターは静謐で落ち着いた空間。富山の職人による組子細工を背景にご主人の熟練の技を堪能できる。コースはおまかせ¥16,500のみ。季節によって変わるが、刺身2種、握り11貫、合間につまみが8種ほど、が基本の流れ。
※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下では一部情報が変更となる可能性があります。公式HPなどでご確認ください。
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問い合わせ先
- 鮨 まるふく
- 営業時間/18:00~23:00(最終入店21:00)、ランチは水曜(15:30〜)、土曜、祝日(12:30〜、15:30〜)
定休日/日曜
メニュー/おまかせコース¥16,500 (仕入れにより変動。冬場のせいこ蟹のシーズンは¥18,480)
要予約(最新情報はインスタグラム @sushi_marufuku 参照)
住所/東京都杉並区西荻南3-17-4 第五PRビル1F - TEL:03-3334-6029
- PHOTO :
- 篠原宏明、長谷川 潤
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、佐藤友貴絵(Precious)