カジュアルウエアのなかでも最もポピュラーであり、あらゆる世代から愛されているデニム。星の数ほどあるアイテムは、何がどう違うのか比べようもないが、元を辿れば行き着く先は同じである。そんなブランドのひとつが1889年に創業したデニムブランドの「Lee(リー)」。ここでは、リーの代表モデルである「101」のデニムパンツを、新旧にまたがって紹介する。
およそ100年にわたって愛され続ける「101」のデニムパンツの魅力!
モダンデニムのパイオニア!世界で初めてジッパーを取り入れた「101Z」
1926年に、衣料品に世界初のジッパーフライを取り入れ、既存のデニムにおいて革新的な進化へと導いた「101Z」。あのジェームス・ディーンが、映画「理由なき反抗」で着用したことでも話題をさらった不屈の名作である。細すぎず太すぎず、股上を深めに設けたストレートシルエットは、綺麗な脚線を生むだけでなくどんなコーディネートにも嫌味なくすんなり溶け込む。現在では、オーガニックコットンを使用し、製造工程のほとんどを日本で行ない、トレーサビリティにも対応。長い歴史における伝統と生産背景における信頼が、不動の地位を獲得している証明である。ちなみに、「101Z」のZ=ジッパーフライ、「101B」のB=ボタンフライを指し、クラシックなボタンフライタイプも現存する。
ブランド名が刻印されたトップボタンは取り付け方向に基準がないため、ひとつひとつバラバラな向きが面白い。補強の金属製リベットは、傷がつかないように中心の突起を抑えたリベットもリーならではのディテールだ。
最も簡素化された大戦モデルの「101」
過去のプロダクトを現在に復活させるリーの「Lee Archives(リー・アーカイブ)」の中でも、特にディテールが面白いのが「WWⅡ 101 COWBOY PANTS 1943 model」である。第二次世界大戦における物資統制が行われ、簡素化を余儀なくされた「101」は非常にシンプルでありスマート。スキュー加工を施さずに当時の素材感を再現しているため、綾織り特有の捻れが徐々に現れ、自分の形に変わっていく様が楽しめる。
当時、持続的に安定供給が可能であった無着色の鉄製ボタンフライを採用し、ディテールを再現。リベットも同素材に変更し、ウオッチポケットのリベットは省略されている。
新旧「101」のディテールを比較!
ヒップポケットを飾る「レイジーSステッチ」の有無やベルトループの本数など、歴然とした差が見てとれる。また、戦中まで採用されていた右綾織りデニム生地に対し、現行モデルでは左綾織りデニム生地など、細かな個所まで異なり、当時のディテールを忠実に再現している。
こうやってディテールを見比べてみると、デニムの歴史に加え、ハマってしまう面白さがなんとなく理解できてしまう。そんな事を考えながらデニムを楽しんでみてはいかがだろうか。
※価格はすべて税込です。
問い合わせ先
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
- PHOTO :
- 島本一男(BAARL)
- STYLIST :
- 河又雅俊
- EDIT&WRITING :
- 河又雅俊