2017年12月25日(月)まで、六本木ヒルズ展望台の東京シティビューにて「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」が開催中。日本からは荒木飛呂彦、操上和美、小谷元彦、金子富之ら、海外からは、キース・へリング、ニキ・ド・サンファル、ウー・ジエンアン(鄥建安)など、古今東西のアーティストの作品が集結。「セルペンティ=蛇」をモチーフにしたアートが勢ぞろいしています。
また、ブルガリのアイコンジュエリーであり、蛇をモチーフとしたコレクション「セルペンティ」の、アーカイブピースもずらりと展示。
この「蛇」をテーマにした、世界でも珍しいアート展覧会「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」の見どころを、ブルガリのブランド ヘリテージ キュレーター、ルチア・ボスカイニさんに伺いました!
なぜ「セルペンティ」はブルガリのジュエリーのモチーフになったのか?
「セルペンティは1940年代の末に始まったアイテムで、当時は最初からコレクションがあったわけではありません。
というのは、私たちはもともとジュエラーとして、世界にひとつしかないものをつくっていました。しかし第二次世界大戦直後のイタリアは悲惨な状況で、富裕層も自分の富を見せつけないよう、気をつけていた時代でした。そんなときに生まれたのがセルペンティなのです」
「最初は、ジェエリーという装飾品ではなく、『時計』という機能的かつ優れたデザインのものとして誕生し、大成功を収めました。モダンなデザイン、モダンな素材、そして柔軟に動く形であるということが、当時のファッションを求める人の心に合致したのではないかと思います。そのころの傾向として、シンプルであること、モダンであること、ミニマリズムであることが求められていたのです。
蛇の形を明確にモチーフにしたものが生まれたのは、1950年のこと。頭が小さくて、身体が太めなのが最初のものです」
「そこから頭や目の大きさ、体の太さや素材など、次々と変化を遂げていきます。面白いものの一例が、こちら(下写真)。蛇の舌は通常、ふたつに割れていますよね。けれども1967年に生まれたセルペンティは、人間の舌になっているんです」
「私自身、蛇という生き物はとても怖いんです。でも、ブルガリのセルペンティは、怒っていたり、にこっとしていたり、ひとつずつ顔やデザインが違うんです。だから、長年のデザイナーのクリエイションと職人のクラフツマンシップが詰まった、唯一無二のものとしてとらえられる。大好きなんです」
「さらに会場では、WEBサイトで仕上げた自分のセルペンティを、このスクリーンで映すことができます。また、ARでデジタルアニメーションを体験できたりと、隠れたデジタルアートも用意されているので、そちらも併せて楽しんでくださいね」(ルチアさん)
会場に併設されたカフェでは、この展覧会のために特別につくられた、セルペンティのチョコレートも販売されています。
さらに、ルチアさんおすすめのアーティスト作品を次のページでご紹介いたします。
【後編】荒木飛呂彦、キース・へリングなどの「蛇アート」が集結!ブルガリ「セルペンティ」展の見どころをチェック
問い合わせ先
- ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン
- 会場/六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
会期/開催中~2017年12月25日(月) - 入館料(展望台)/一般¥1,800、高校・大学生¥1,200(税込)、1才~中学生¥600、シニア(65才以上)¥1,500
- TEL:03-6406-6652
- 住所/東京都港区六本木6-10-1
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 安念美和子