落語でおおいに笑って免疫力UP!
いい落語というのは聴く側の想像力に訴えかけて、ふだんは使わない脳が刺激される感覚があります。聴き終わった後「いい汗かいたな〜」と、まるでスポーツをした後のような爽快感も。そんな落語の楽しみ方をお伝えするべく、今回は落語を愛して止まない、お笑い芸人のサンキュータツオさんに、今、聴いておきたい注目の落語家3人を紹介してもらいました。
今、聴いておきたい注目の落語家3人
◇業界屈指の愛されキャラで落語の間口を広げる立役者! 柳亭小痴楽(りゅうてい・こちらく)さん
「真打の柳亭小痴楽師匠は、お客さんと対話するように噺を進めるので、劇場で落語を聴くことの楽しさを教えてくれる存在。古典落語は現代のコンプライアンス的にどうなのって内容も多いですが、人間のダメな部分を笑い飛ばし、寛大に受け止めてくれる優しさがあります。親しみやすくゆるい人柄の小痴楽さんは、そんな落語の世界観との親和性も高いです」(サンキュータツオさん)
柳亭小痴楽(りゅうてい・こちらく)さん…1988年生まれ。東京都出身。16歳で二代目桂平治へ入門。2008年、父・五代目柳亭痴楽の門下へ移り「柳亭ち太郎」と改める。2009年9月、父・痴楽没後、柳亭楽輔門下へ。同年11月、二ツ目昇進を機に「三代目柳亭小痴楽」に。2019年、真打昇進。
◇まるで一本の短編映画を観ているような落語が魅力! 瀧川鯉八(たきがわ・こいはち)さん
「ふたり目は、昨年5月に真打になったばかりの瀧川鯉八師匠。現代的な寓話を思わせる創作落語を得意とする噺家。現代人が抱える人間関係の悩み、正論がまかり通らない出来事など、古典では描ききれない視点もうまく盛り込んできます。まるで面白い短編映画を観ているようで、考えさせられる噺が多いのも印象的です」(サンキュータツオさん)
瀧川鯉八(たきがわ・こいはち)さん…1981年生まれ。鹿児島県出身。2006年、瀧川鯉昇に入門、2010年、二ツ目昇進。昨年5月に真打に昇進。現代的な寓話仕立てで独特の世界観を展開する新作落語で注目。映画が好きで、フィンランドを代表する名匠アキ・カウリスマキ監督のファン。
◇お笑い好きの人ならきっとハマるはず! 立川吉笑(たてかわ・きっしょう)さん
「最後は立川吉笑さん。業界的にも注目されている二ツ目です。コントや漫才などは4〜5分しか時間を与えられませんが、もう少し時間をかければできるのに、ということをやってのけます。落語の可能性を改めて感じさせてくれる、急先鋒のような存在」(サンキュータツオさん)
立川吉笑(たてかわ・きっしょう)さん…1984年生まれ。京都府出身。立川談笑門下一番弟子。2010年、立川談笑に入門。わずか1年5か月で二ツ目に昇進。古典落語的世界観のなかで、現代的なお笑いに近い笑いの感覚を表現する『擬古典』が得意。
◆こちらも要チェック『渋谷らくご』
「ライブ配信もありますが、落語だけに集中できる劇場体験は、また格別。空いた時間、自分の都合でふらりと一席だけ聴くというのも乙ですね」(サンキュータツオさん)
東京都渋谷区の『ユーロスペース』で行われている落語会『渋谷らくご』は、初心者でも安心して楽しめる、新しい落語のスタイルを追求し、毎月第2金曜から6日間開催。サンキュータツオさんがキュレーターを務める。ご紹介した3名の出演予定もあり。●東京都渋谷区円山町1-5 2F『ユーロスペース』
※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下では一部情報が変更となる可能性があります。公式HPなどでご確認ください。
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- EDIT&WRITING :
- 宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(本誌)