【第4問】日本酒のラベルにある「上撰」「特撰」「佳撰」は、国が定めたお酒のランクを示すものである。
「NO」と答えたあなた、正解です。
問2で紹介した「特定名称」と異なり、「上撰」「特撰」「佳撰」は酒造メーカーが独自に定めた基準による分類です。国が定めた公的なランクではありません。
そもそも、この「上撰」「特撰」「佳撰」という分類は、平成4年(1992年)の酒税法改正まで存在した「日本酒級別制度」の名残といわれています。
「日本酒級別制度」とは、日本酒を酒税割合の多いものから「特級」「一級」「二級」と分類する制度のこと。この制度は品質のランクのようでまぎらわしいとの声もあり、平成4年に撤廃され、現在の特定名称が採用されるに至りました。
ただ、まぎらわしいとはいえ、級別制度がいきなり廃止されることに戸惑う消費者もいたため、メーカーが消費者のために独自に定めたのが「上撰」「特撰」「佳撰」だといわれています。
一応は、「上撰>特撰>佳撰」の順に、よい原料を使っていたり、製法に手間がかかっていたりして質がよいとされていますが、その基準はメーカーごとにさまざま。このため、メーカーをまたぐと比較の意味をなさなくなります。たとえば「A社の上撰>B社の特撰」という図式は成り立ちません。
とはいえ、この分類に全く意味がないわけではなく、お気に入りの酒造メーカーがある場合、そのメーカーの「上撰」「特撰」「佳撰」を飲み比べてみる…という楽しみ方はできるでしょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生