雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動を連載でご紹介しています。
今回は、長野県白馬村でインターナショナルスクールを設立した草本朋子さんの活動をご紹介します。
英語でサステナブルな教育を提供|白馬に新時代の中高一貫校が誕生
’22年、長野県白馬村に中高一貫の全寮制インターナショナルスクールが開校する。その準備に奮闘しているのが草本さんだ。’09年にオーストラリア人の夫とふたりの子供と共に白馬へ移住。少子化が進み、廃校の危機にあった白馬高校の再出発に携わったことから、「教育こそが地方再生の鍵だ」と強く実感したと語る。
「白馬は人口9000人ほどですが、外国人が300人近くいる。学校に普通に通っていても、外国の子と接する機会がある素敵な環境なんです。白馬インターナショナルスクールでは、日本だけでなく、世界中から子供たちを募集して、グローバルな視点で各文化の違いを認め合える教育を目指しています。英語でサステナブルな教育を提供することで、未来に向かう力をつけてあげたい」
’16年から不定期で開催している短期スクールでは、大自然の中で持続可能性を学ぶプログラムを実施。昨年の夏は水力発電の機械をつくった。「さまざまな要因を探って問題解決を目指すシステム思考(*)」と「実際に手を動かして学ぶこと」を大切にしている。
*システム思考とは…あらゆる現象をひとつのシステムとしてとらえ、全体の構造を把握して問題を解決する。社会転換に効果的なアプローチとされている。
【SDGsの現場から】
学びを実践で生かせるような思考の仕方を教える
今起きている問題を解決するために必要なアクションとは。問いを投げかけながらの授業。
体験型の遊びを通して楽しく学ぶ
’16年から春・夏不定期で短期プログラムを開催。写真は、水力発電を学んでいるところ。
「世界はシステムのようにすべてがつながっていて、目の前の問題は実は、地球の反対側にも影響を及ぼしているんだという考え方を身につけてほしい。そして、今の大人たちがヘンテコにしてしまったこの世界も、『動くことで変えられるんだ』と、子供たちに実感してもらいたいんです」
草本さん自身、英語を学び、MBAを取得し、外資系大手金融会社に勤めて東京とN.Y.でハードな投資の世界に身をおいてきた。英語と子供。人生を変えたふたつの要素が、教育という未来へのアクションをつくり出している。
- PHOTO :
- 五味貴志
- WRITING :
- 楢畑彩香、剣持亜弥(HATSU)
- EDIT&WRITING :
- 大庭典子、喜多容子(Precious)