「阿吽」ってなんと読む?「あぎゅう」ではないですよ!呼吸です!
明日・8月22日は、昭和の大作家・向田邦子氏の忌日です。
1981年のこの日、飛行機事故により51歳の若さで他界されてから、今年でちょうど40年目ですが、向田邦子作品は今なお、中学校の国語の教科書の教材になるなど、輝き続けています。
1970年代にはテレビドラマ『時間ですよ』などのヒット作を連発し、倉本聰氏、山田太一氏と並び「シナリオライター御三家」とまで呼ばれ、
亡くなる前年の1980年には小説で直木賞を受賞されていますが、直木賞史上でも大変珍しい、3篇の短編小説が受賞作となっています。
おしゃれで快活、独特のセンスで周囲を魅了されたお人柄は、同時代を生きた多くの作家や文化人の著作の中でも、生き生きと語り継がれています。
…ということで、本日の1問目です。
【問題1】「木槿」ってなんと読む?
「木槿」という植物名の正しい読み方をお答えください。
ヒント:ガーデニングでも人気の、写真のような花を咲かせる木で、アオイ科フヨウ族の落葉樹です。
<使用例>
「日本って意外にハイビスカスが多いな、とカン違いしていたけれど、木槿という木なのね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 木槿(むくげ) です。
「木槿(むくげ)」という植物名、ご存知でしたか?同じアオイ科フヨウ族の「ハイビスカス」と混同される例が散見されますが、よく見かける植物ですので「木槿(むくげ)」という名前、憶えておきたいですね。
実は8月22日の向田邦子忌は、『木槿忌(むくげき)』という異名でも呼ばれております。
作家・山口瞳氏が、親交の深かった向田邦子氏を、純白の木槿の花に重ねた『木槿の花』という随想作品をしたためており、これにちなんで『木槿忌』という異名が提唱されております。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「阿吽」ってなんと読む?
「阿吽」という言葉の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「相対する二つのものに言う語」「吐く息と吸う息。呼吸。」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「仁王様や狛犬の口の形は、開いた『阿』と閉じた『吽』の形の一対で、『阿吽』なのよね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 阿吽(あうん) です。
「二人の人物が一緒にものごとを行う時の、互いの微妙な気持ち。また、それが一致すること。」という意味の慣用句に「阿吽(あうん)の呼吸」がありますね。
向田邦子氏の代表作に、二人の男性を中心とした、2家族の微妙なバランス関係を描いた『あ・うん』があります。「阿吽」の語感を活かしながらも『あ・うん』という平仮名表記にしたことで、タイトルだけでもさまざまなイメージを想起させ、興味をひかれますね。テレビドラマ、小説、映画…などなど、向田氏の死後も何度もリメイクされたこの名作にちなんで、二問目の出題といたしました。
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本日は、8月22日、 昭和の大作家・向田邦子氏の忌日にちなんで、
・木槿(むくげ)
・阿吽(あうん)
などの読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『男性自身 木槿の花』山口瞳(株式会社新潮社)『人本大百科事典(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱