どう受け止めますか?変化する「妻のかたち」
男女平等の重要性や、性別にとらわれない生き方などの議論が盛り上がるなか、改めて目を向けたいのが、「夫婦のあり方」ではないでしょうか。そこで雑誌『Precious9月号』では、Preciousのメールマガジンにご登録いただいた読者の皆様に、記述式のアンケートを実施。そのなかから、30〜65歳までのパートナーのいる、働く女性(パート含む)の回答約300通を有効とし、その結果を基に記事を作成しました。年齢構成は30代15%、40代35%、50代30%、60〜65歳20%、東京在住47%を中心に日本全国から回答が寄せられました。
今回はそのアンケート結果から、「パートナー」への呼び方の変化や感じている違和感について、プレシャスキャリアの皆さんの意見も交えてご紹介します。
〈アンケートテーマ〉女性キャリアたちがざわついた【パートナーの「呼び方」への違和感】
Q1 : 対外的に夫の話をするとき、パートナーをなんと呼んでいますか?
夫婦の数だけ、そのスタイルはさまざまなものが存在します。ひとつとして同じ関係性はないものの、「どう呼ぶか」となると【夫、主人、旦那】のほか「ある呼び方」に落とし込まれます。その結果は上のグラフのとおり。僅差で【夫】が【主人】を上回りました。
・「基本は【夫】、目上の方には【主人】、友人には【名前】か【旦那】」(52歳・製薬会社)
・「【夫】一択!それ以外は考えられない」(42歳・テレビ局プロデューサー)
・「結婚以来【夫】と呼び、【妻】と呼ばれています」(42歳・人材派遣会社)
・「【主人】で定着。ほかには思い浮かばない」(53歳・経理事務)
・「基本【旦那さん】。愚痴を言いたいときは【旦那】(笑)」(45歳・歯科助手)
・「【パートナー、相方、連れ合い】など、そのときの気分で」(32歳・ホテルコンシェルジュ)
・「◯◯くん、◯◯ちゃんと呼び合います。『仲がいいね〜』と言われますが、それが普通なので…」(37歳・外資系金融機関)
さらに複数回答として多く寄せられたのが「TPOで使い分ける」という声でした。
・「年配の方や夫の仕事関連の方の前では【主人】と呼んで控えめな妻を演じ、リベラルな友人の前では【夫】や【パートナー】と呼んでフラットな自分に戻ります」(42歳・広告制作会社)
・「相手が【主人】と言うなら私も【主人】と言い、【ご主人】と話しかけます。自分のスタンスよりも、相手がどう感じるかを重要視しているので」(39歳・カーディーラー)
また「【主人と家内】でしたが、娘に『古い』と言われ、【夫と妻】にアップデート」(58歳・製紙会社)という声も。環境、そして時代と共に、呼び方は移り変わりを見せているようです。
Q2 : パートナーを【主人】と呼ぶことに抵抗がありますか?
上の設問で、多くのキャリア女性から上がってきたのが、ある特定の呼び方を口にしたとき、また耳にしたとき、複雑な心境に陥ることがあるという心のモヤモヤでした。特に【主人、旦那】という呼び方は「抵抗あり」が「抵抗なし」の倍以上を占める結果に。
・「結婚以来【主人】と呼んでいますが、ずっと違和感がありました。コロナ禍で夫の在宅勤務が増え、家事育児の分担も進んでいる今、【うちの夫】と呼ぶように」(38歳・SE)
・「主従関係もなく仕えているわけでもないのに【主人、旦那】と呼ぶのはおかしい」(35歳・薬剤師)
併せて寄せられたのが「呼ばれ方」の違和感です。
・「ある日、【嫁】と呼ばれて雑な扱いを受けた気持ちに。『ご両親が私を呼ぶ言い方で、あなたが使う言葉ではない』と伝えました」(35歳・商社勤務)
・「外で働いている私を【家内】と呼ばないでほしい」(44歳・医療事務)
・「不動産を見て回る際、営業の男性に【奥様】を連呼され、辟易した」(40歳・官公庁)
その一方で、
・「愛する人を【主人】と呼ぶことが自分らしいし、その両親から【お嫁さん】と呼ばれることが喜び」(48歳・損害保険会社)
・「海外育ちで多様な文化に触れてきたので、それぞれに背景があると考えれば、呼称自体は気にならない」(42歳・翻訳者)
・「抵抗があるという感覚に、抵抗あり。逆に優劣を意識しすぎでは」(55歳・自営業)という声も。
このようなアンケート結果となりました。アンケートから見えてきた本音、あなたはどう受け止めますか?
- PHOTO :
- Getty Images
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、喜多容子(Precious)