花や鳥や虫、何気ない庭の一角など、身近なものを明快な線と色でユーモラスに描く熊谷守一。そんな彼の画業に迫る大展覧会『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』が、12月1日から東京国立近代美術館で開催されました。その記者内覧会に足を運んだPrecious.jp編集部、本展覧会の魅力をお伝えします。

東京国立近代美術館は、皇居のすぐ近くに位置し、アクセスも良好な美術館。最も近いのは東京メトロ・竹橋駅。歩いて5分もかからぬうちに到着です。

東京国立近代美術館の外観

コインロッカーは、入口を入って右手奥。こちらのロッカーはうれしいことに、無料で使用することができます。冬場はコートなど手荷物が多くなりがちなので、ロッカーに預けることをおすすめします。ストレスフリーとなったところで、さあ鑑賞を始めましょう!

東京国立近代美術館のロッカー

第1章では、単純な絵しか描かないと思われがちな熊谷に対する固定概念を覆す、アカデミックな作品が並びます。東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、洋画家の黒田清輝らの指導を受けていたというだけあって、デッサンの技術や、陰影のつけ方が見事でした。

そして入館早々目を引いたのは、ズラリと並んだ裸婦像の壮観。熊谷は1929年、49歳のときから、画塾の講師を10年間勤めていました。そこで人体と石膏模型の写生を指導している間に、素早いスケッチで裸婦像を数多く生みだしていたんだとか。熊谷の裸婦像は、顔や手の指などを細かく描かないことで、裸の肉体が強い存在感を放っています。

『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』展示風景

そしてもうひとつの見どころは、今回のメイン絵画にもなっている「猫の絵」です。この展覧会では、熊谷が愛した猫たちの絵が集結しているのも魅力のひとつ。猫好きにはたまりませんよね。熊谷の家には、飼い猫か野良かの区別もつかない猫たちが、常に出入りしていたんだとか。

下の絵は、いっさいの無駄を削ぎ落とした構図ですが、猫の背骨の凹凸だけは、あえて描写することで、ぐにゃんとした愛らしい姿が巧妙に描かれています。このように熊谷の絵は、シンプルで一見穏やかに見えますが、実はその背後には、科学者のような観察眼と考え抜かれた制作手法が隠されているのです。

熊谷守一 《猫》 1965年 愛知県美術館 木村定三コレクション

そしてこちらの展覧会、猫グッズも豊富なのです! なかでもおすすめなのが、上記の「猫」の作品がモチーフの根付(¥680)。猫好きの人へのちょっとしたプレゼントにも最適です。

『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』展覧会グッズ

記者発表会では、東京国立近代美術館の館長の神代 浩氏、企画課長の蔵屋美香氏が登壇。蔵屋氏は「熊谷はよく”下手だけど味わいがある画家”とされているけれど、それはまったくの間違い。彼は絵画において、とても研究熱心で理系脳。色彩学など常に研究し、知識を活かして描いている」と熊谷の偉大さを語っていました。

さらに「特に注目していただきたい作品は、『稚魚』。これは図版では見えない鮮やかでとても綺麗な色の表現があります。ぜひ直接観て欲しい」と呼びかけていました。訪れた際は、この作品を特に注目して鑑賞してみてくださいね。

問い合わせ先

  • 『没後40年 熊谷守一 生きるよろこび』 
  • 会期/2017年12月1日〜2018年3月21日
  • 休館日/月曜日(ただし 1月8日、2月12日は開館)、年末年始(2017年12月28日~2018年1月1日)、1月9日、2月13日
    会場/東京国立近代美術館
    住所/〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
    開館時間/10:00〜17:00
    (金・土曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
    入館料/一般¥1,400ほか
    TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

※価格はすべて税込です。

この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.4.3 更新
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EDIT&WRITING :
谷 侑希美