乾燥した厳しい冬を超えた後、4月初旬に霜が降り、ブドウ畑に大きな損害を与えた2003年のシャンパーニュ地方。5月には記録的な高気温となり、53年ぶりの酷暑と極めて対照的な天候ではあったが「ドン ペリニヨン」が収穫したブドウは見事な奥行きと濃度を誇る果実に成長していた。
試練を恐れずに挑む「ドン ペリニヨン」の精神が結実
厳しい気候変動の影響があった2003年のヴィンテージを発表するメゾンは数少ない。素晴らしいブドウになったのは「ドン ペリニヨン」が天候を受け入れたことが奏功したこともあるだろうが、それ以上にブドウの出来を生かした柔軟な醸造によって「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2003 プレニチュード 2」は、唯一無二の個性溢れるヴィンテージになった。
「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2003 プレニチュード 2」は、同メゾンの長い歴史の中で初めて果汁を圧搾により酸化させて濃い色味にし、強烈なタンニンの風味を軽やかにさせている。アッサンブラージュでは、ピノ・ノワールをこれまでにない割合で増やし、シャルドネとのバランスを調整。
立ち昇る泡にも気品がある
ライムツリーの華やかな柔らかさと「ドン ペリニヨン」らしい燻製のようなミネラル感のある香りを持ち、奥深いダークな味わいへと変化していく。最後にミネラルが感じられるビターな余韻がゆったりと続く。豊満でしっかりとした味わいが波のようにリズミカルに押し寄せる。
特別な日や大切な人と
リスクを取りながらも自然と共生する同メゾンによる「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2003 プレニチュード 2」は、伝説となっている1947年、1959年、1976年のヴィンテージを彷彿させる仕上がりとなっている。舌触りと力強さが楽しめる、肉感的なシャンパーニュ。特別な日に、大切な人と一緒に味わいたい。
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- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター
- PHOTO :
- 島本一男(BAARL)