雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、インテリアデザイナー、アンバー・ラシアックさんの活動をご紹介します。

アンバー・ラシアックさん
インテリアデザイナー
学生時代から映像制作プロダクションで働く。ショップオープン目前でハリケーンの水害に遭うなど試練もあったが、リサイクル資材を使った家具製作への情熱を失うことなく事業を継続。2021年末に実店舗を開店予定。

廃材を「救出」して、価値ある家具に。アップサイクルで強さと美しさを宿す

ブルックリン地区の北側のレッドフックエリア。ビルの一角、窓から自由の女神が見える、天井の高い昔ながらのロフトに、「REDU」のオフィス兼作業場がある。

工事現場や工場、個人宅から出る不要な、しかし使用可能な資材を、廃棄物になる前に「救出」し、それを使って家具をつくる会社だ。

学生時代から映像制作プロダクションのスタッフとして、華やかな世界で働いてきたアンバーさんが、「毎日に違和感」を抱くなかでコツコツと資金をため、’12年にスタートさせた事業である。

「家具や建築の仕事をしたことはなかったけれど、ぼんやりと、廃材を使ったサステイナブルなビジネスモデルを構想していました。カリフォルニアの牧場育ちで、日常的に身の回りのものを手づくりしていたことも関係があるのかもしれません。建築現場にアポなしで出かけていって、ゴミとされているコンテナから、使えそうなものを引き取り、家具にする。ネジや釘以外は、新しい素材はいっさい使いません。環境に優しく、そしてクリエイティブ。世界にひとつのアイテムに価値を見出してくれる人は増えています」

【SDGsの現場から】

●家具はすべて廃材! 自由の女神が見える心地のいいオフィス

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オフィスの家具もすべて自社製。大きなテーブルは取り壊された廃屋の梁を使用したもの。

●スタッフは少数精鋭。活動に共感したインターンも在籍

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自ら廃材集めに足を運ぶアンバーさんと、家具製作を担当する職人(左)、インターンの3人。

N.Y.市で埋め立て処理されるゴミの65%が建築廃材(※)。アンバーさんは今も自らヴァンのハンドルを握り、素材集めに出かけていく。「廃材の山のなかから使えるものを見つけ出す『目利き力』もどんどんついてきた」と笑う。

家具の製作販売だけでなく、インテリアデザインも請け負う。すべて廃材でつくったレストランは大いに注目を集めた。次の目標は、創業当初に準備をほぼ終えていながらハリケーン襲来により断念せざるをえなかった実店舗のオープン。歩みはまだまだ続く。

※建築廃材とは…住宅などの建築物を解体したもののほか、副次的に生まれるゴミや廃棄物も含まれる。不法投棄をはじめとする社会問題にもつながる。

PHOTO :
Hiroshi Abe
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT&WRITING :
大庭典子、喜多容子(Precious)