【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.４】夕陽と蟹料理をたっぷりと！越前海岸の宿「料理宿 やまざき」

蟹と古民家、海好きを大満足させる宿「料理宿 やまざき」

「料理宿 やまざき」。古民家を移築して約15年たった今、さらに風情が増して。

待望の越前ガニのシーズンが到来！ 暖流と寒流がぶつかる福井県沖で、厳しい流れにもまれた越前ガニ。三国、越前、敦賀、小浜の各港で水揚げされる雄の蟹はズワイガニ、雌の蟹はセイコガニと呼ばれます。毎年11月6日の解禁日から翌3月20日までの限られた期間だけ食すことができ、旬は12月から2月にかけてといわれます。

そんな美味を地元で味わう旅に出かけたい…。そこで、福井県に在住し、手がける作品は東京や京都で引く手数多という装飾師の錦織ほまれさんにお知恵を拝借。

「地元では期間が短い卵を抱えたセイコガニを最初に自宅で食し、ズワイガニは旅館など出かけていただくことが多いですね。そして脱皮して日が浅い甲羅が柔らかなズボガニ（ミズガニ）までと、蟹のシーズンは蟹づくしの日が続きます」と語るほど蟹が大好きな彼女から、蟹を食せ、かつ空室があったら、すかさず予約を入れるという人気宿を5軒ご紹介いただきました。

• 【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.１】待望のリニューアルオープン！あわら温泉の名旅館「光風湯圃 べにや旅館」
• 【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.２】和の空間と蟹料理が旅のお目当て！「越前あわら温泉 大人の湯宿 つるや」
• 【蟹の季節に訪れたい福井の宿 Vol.３】女友達とのおしゃべりと、黙々と食す蟹を堪能！「あわら温泉 グランディア芳泉」

 

錦織ほまれさん

装飾師／装飾 日和代表

（にしきおり ほまれ）福井県越前市出身。神戸女子大学卒業。装飾師として唯一無二の手からつくり出される和紙・木工・漆芸・竹工・和造花・組紐などの幅広い伝統技術を組み合わせた商品のデザインから製作まで担当。“紙を平面から立体へ”のコンセプトのもと、人間国宝九代目 岩野市兵衛氏とコラボレーション。「THE 市兵衛」の商品をプロデュース。東京・銀座和光での五節句かけ飾りの企画＆製作や京都・松栄堂での商品企画などにも携わる。

本記事では、少し南下して越前町の宿を紹介します。こちらの「料理宿 やまざき」は、築100年以上前の古民家を4代目のご主人が買い取り、2007年にリニューアルオープン。

越前海岸に面して建てられた「やまざき」。

「私の住む越前市からもっとも近い宿なので、越前を訪ねたいという友人に最初にお薦めする宿です。落ち着いた古民家に宿泊できることもポイントが高いと思います」（錦織さん）

ロビーは古民家再生に携わってくれた建築家の縁で、松本民芸家具で統一されている。

2階の部屋から眺める越前の海。

夕陽が眺められる温泉と絶品の蟹を食す至福

「料理宿 やまざき」の5代目を担う山崎嘉朋さんは越前町で開催されるセリに参加できる権利を持っているため、越前港で採れる魚を自ら買い付け、美しい魚料理へと仕上げています。蟹も同様です。鮮度のいい、食べごろの蟹を厳選。食事のタイミングに合わせ、調理に入ります。

熱々の茹で立ての蟹に出合ったら、旅の満足度は最高潮へ。

「ご主人のお料理は丁寧な仕事と地元でも評判が高く、四季を通し、美味しいお魚がいただけます。なかでも日本海に沈む夕陽を眺めながら、茹で立ての蟹をいただきたい人にはおすすめです」（錦織さん）

ただ全6室と予約競争は厳しく、
「残念ながら…という友人が続出するほど年中満室。ラッキーにも宿泊できた人からは感謝され、毎年9月1日11：00から始まる予約を楽しみにしているという方までいらっしゃいます（笑）」（錦織さん）

「料理宿 やまざきの外観。

レンタカーで越前海岸の海岸線を走っていると、蟹シーズンにはあちらこちらで蟹を茹でる湯気が立っています。そこに見えてくる宿が、古民家を加賀から移築した「料理宿 やまざき」です。夕暮れならば、ロビー奥にある暖炉が暖かく出迎え、それだけでも気分は高揚してくるはず。

部屋に通されると、今度は目の前に日本海が！ 食事の前に、まず宿の中の温泉へ。疲労回復などの効能がある温泉の大浴場は一番海に近い場所、旅館の角にあります。女風呂から眺める夕陽は、言葉をなくすほどの美しさ。蟹の前に充実した時間が過ごせます。

夕陽とともに入る温泉は格別！ 大浴場は24時間使用可能。

料理人のご主人が手がける豊富な蟹料理のバリエーション

湯上がりに部屋でいただく蟹は、ふたりで2杯の蟹。1杯は茹で立ての蟹、もう1杯は半分をお刺し身、半分は奉書焼きに仕立ててくれます。このお刺し身用に用意された蟹を特製の出汁でしゃぶしゃぶにして味変が堪能できます。なんと贅沢なメニューでしょう。

蟹のお刺し身。こちらを蟹のしゃぶしゃぶへ使う贅沢なメニュー。

蟹の奉書焼きも、忘れられないほどの美味。

レンゲを使い、濃厚な蟹味噌まで食べ尽くす。

しかも、朝食には蟹の鍋、蟹の雑炊と滞在中には、蟹づくしの時間を楽しめます。天候次第ですが、朝採れたばかりの魚がテーブルに並びます。

心ゆくまで、たっぷりと蟹を食べる「蟹旅」。その夢は、こちら「料理宿 やまざき」で叶います。

蟹鍋や越前のお刺し身が並ぶ朝食。こちらは1階の大広間で。

以上、「料理宿 やまざき」をご紹介しました。

「景色もご馳走のひとつといいます。こちらの宿が好きな理由は、蟹を食べる前に夕陽を眺めながら温泉を堪能できること。古民家独特のどっしりとした佇まいにも心惹かれます」（錦織さん）

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

問い合わせ先

• 料理宿 やまざき　
  住所／福井県丹生郡越前町16-53-1
  客室数／全6室
  料金／2人1部屋・ひとり￥66,000〜（税込※別途入湯税あり、蟹シーズン：2021年11月7日〜2022年3月20日）
  TEL：0120-37-1016　または　0778-37-1016

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