41歳の時に始まった連載漫画『テルマエ・ロマエ』から漫画家としての快進撃が始まったヤマザキマリさん。自身の激動の半生を笑いに変えて描く、漫画や書籍がまた愉快でその明るい生き方に勇気づけられるという声も多数。『Preciuos』11月号では、そんなヤマザキさんのご自宅でじっくりお話を伺いました。

今回は、国境にもジェンダーにも縛られず真の自由を謳歌するヤマザキマリさんの、ご自宅訪問で見つけた何やら楽しげなものたちや、愉快な人柄を浮き彫りにするエピソードを7つお届けします!

ヤマザキ マリさん
漫画家・文筆家・東京造形大学客員教授
1967年東京生まれ。フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。イタリア人比較文化研究者との結婚を機に、エジプト、シリア、ポルトガル、アメリカで暮らす。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。著書に『プリニウス』(とり・みき氏との共著/新潮社)、『オリンピア・キュクロス』(集英社)、『多様性を楽しむ生き方』(小学館)、『ムスコ物語』(幻冬舎)ほか。

ヤマザキマリさんのご自宅訪問で見つけた〈7つの愉快〉

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ブラウス¥60,500・ジャンパースカート¥110,000(ドゥロワー 六本木店〈ドゥロワー〉)、ネックレス/本人私物

リビングの本棚では、書物の間に昆虫標本や石像が楽しげに顔をのぞかせる

資料中心の本は、時々気がついて分類別に配置をするが、手に取るごとに結局また入れ替わってしまう。造り付けの書棚は設計ミスで大型本が入らず、写真集は書斎へ。手にしているのは敬愛する音楽家カエターノ・ヴェローゾの『熱帯の真実』。

■1:若い芸術家を応援

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フィレンツェで油絵を続けた11年、自身が生活に困窮した経験があるだけに、「若手アーティストに出会うと応援したくなる」。この絵は昨年、審査員を務めた東京藝術大学の「猫展」で猫大賞をとった作品。ほかにも絵画やオブジェを何点か購入した。

■2:カラスを飼いたい

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古代から知恵の象徴とされるカラスを、本気で飼いたいと思っているヤマザキさん。

「賢い生き物なので、ぜひ友達になりたい。ベランダで餌付けしたいけれど、近所迷惑なので都会のマンションでは無理」。

せめて今はジョン・デリアンの絵で…。

■3:掃除が好き

プロの手が入っているに違いない!と思わせるほど、完成度の高い掃除ぶり。買ったばかりの「ダイソン」の最新型掃除機を実演付きで楽しそうに説明しながら「締め切りで忙しい時ほど念入りに。よけいなものはすぐ捨てる。未練をもたない!」という潔さに脱帽。

■4:お風呂は一日3回

一日3回はもとより、忙しい時ほどまめに入浴するのは「脳内が浄化される感覚がある」から。

札幌のテレビ局で温泉レポーターを務め、北海道から東日本の主要温泉を網羅し、入浴剤には一家言あり。現在のお気に入りはピンク色の『きき湯』肌荒れ・しっしん用。

■5:憧れの兼高かおるさん

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幼い頃から、日曜の午前中はテレビの前で『兼高かおる 世界の旅』に釘づけ。大人になったら兼高かおるになる!と決めて、海外への憧れはここから始まった。兼高さんの生前に対談も叶い、ヴェネチアングラスのトロフィーは第1回『兼高かおる賞』を受賞した時のもの。

■6:鍋つかみに見る謎の嗜好性

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海外土産にいただくことが多いのが鍋つかみ。魚や猫といった生き物系に紛れて、ホモセクシュアル・アート『トム・オブ・フィンランド』のテルマエ風裸体が見え隠れ。当人の趣味を思いながら選んだであろう、嗜好性の統一感のなさを自身も楽しんでいる。

■7:自作のアマビエがルネッサンスタッチ

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江戸時代に疫病を予言したといわれる日本の妖怪「アマビエ」は、疫病除けの効果があるといわれ、多くの漫画家によって描かれている。昨年ヤマザキさんもインスタグラムにアップ。かわいい顔とルネッサンスのデッサンタッチが絶妙で話題に。なんだか効きそう。

※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

ドゥロワー 六本木店

TEL:03-5786-4844

PHOTO :
長谷川 潤
HAIR MAKE :
hiro TSUKUI(Perle/ヘア)、仲嶋洋輔(Perle/メイク)
EDIT&WRITING :
藤田由美、古里典子(Precious)
スタイリング協力 :
大西真理子