お年玉「以外」にも使える!? ポチ袋の「意外」な使い道

主にお正月のお年玉に活用することが多い「ポチ袋」。値段も安いし、種類も豊富なので、文房具店でかわいいものを見つけると、つい買いってしまう…なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか? 「たくさん買っても、使い道が…」と思われがちなポチ袋ですが、実は使い方次第でなんにでも化ける、優れものなのです。もはや「お年玉専用」として使っていたらもったいないポチ袋の使い道を、雑誌『Precious』のエディトリアルディレクターでポチ袋コレクターの喜多容子さんにうかがいました。

喜多さんのポチ袋コレクションの一部。袋の中に入っているのが「非常に少ない金額、ほんのわずかなご祝儀」という意味から、これっぽっち=ポチ袋、と呼ばれるようになったそう
喜多さんのポチ袋コレクションの一部。袋の中に入っているのが「非常に少ない金額、ほんのわずかなご祝儀」という意味から、これっぽっち=ポチ袋、と呼ばれるようになったそう

■1:海外のホテルで、チップを渡すときに…

「海外のホテルに宿泊した際、スタッフの方々にお渡しするチップも、ポチ袋に入れてみてはいかがでしょう? 温かみのある和のデザインのポチ袋に『Thank you!』とひとこと添えて渡すだけでも粋ですし、喜ばれます」

■2:ちょっとした金額をお返しするときに…

「最近では、ポチ袋も大きさや形がさまざま。例えば下の写真のように小さいポチ袋だと、100円玉などの硬貨をお返しする際に役立ちます。小銭を裸でお渡しする行為は、大人の女性として躊躇してしまいますが、この気遣いひとつで素敵に感じられますよね。ひとこと表面にメッセージを添えるといっそうよいでしょう。ただし、本来は目下の人が目上の人にポチ袋を渡すと、失礼になる場合もあります。使い方には注意しましょう」

シールや小銭が入る程度の正方形ぽち袋
シールや小銭が入る程度の正方形ぽち袋

■3:行方不明になりやすい電車のチケットや回数券をまとめる

「新幹線のチケットや回数券、スタンプカードは、バラバラになりやすく、紛失しがちですよね。そんなとき便利なのがポチ袋。まとめてポチ袋にいれて、バッグの内ポケットなどにいれておくとよいかもしれません。種類ごとに分けて入れておくと、よりわかりやすくて、いざというときに戸惑ったり、慌てたりすることがなくなります」

■4:ピアスやネックレスを一時的にしまうキープ袋として活用

「仕事中や試着時、パーティなどで、ピアスやネックレスなどをいったん外さないといけないとき、けっこうありますよね。『どこにしまおう…』と悩んでいた人も、空いたポチ袋を何枚か持っていれば、自然に解決できます。どこに入れたかわからなくなったり、なくしてしまう心配も解消!」

■5:素敵なポチ袋に出逢える「京都の文房具店」5選

喜多容子のポチ袋コレクションの一部。これの5倍以上を所持!
喜多容子のポチ袋コレクションの一部。これの5倍以上を所持!

「もともと文房具オタクではありますが、京都へ行くと、私のタクぶりに火が付き、ついついポチ袋が増えていってしまいます。嵩山堂(すうざんどう)はし本、鳩居堂、ぴょんぴょん堂など、楽しい店があちこちにあるので、すぐに使うあてはないのに『かわいい!』『ちょっと洒落てる!』と次々に手が伸びて…。さらに、まつ九、雲母唐長のように、版画の伝統技術の上に現代的なセンスが加わった、素晴らしいポストカードやのし袋などをつくっているお店もあり、目移りがしてしまうほど。親類や友人の子供たちのお年玉袋としてはもちろん、旅館などでちょっとしたチップを入れるのに使ったりしますが、使ってなくなってしまうとなんだかさみしいので、ひとつのデザインで、最低5~10枚は購入します(単価も安いので!)」

喜多さんがおすすめする「ポチ袋がかわいい京都の文房具店」は、下記の5つ。

■典雅文房 嵩山堂はし本

「やや大人びた洒落たセンスの文具なら、ここ。中国の富士山と呼ばれる美しい山「嵩山(すうざん)」から店名をとり、創業64周年を誇る老舗です。錦市場のすぐ近く!」

  • ■典雅文房 嵩山堂はし本
  • 住所/〒604-8072 京都市中京区六角通り麩屋町東入八百屋町110
  • TEL075-223-0347
  • 営業時間/10:00~18:00
  • 定休日/お盆・お正月

■京都鳩居堂

「銀座5丁目の鳩居堂も有名ですが、寺町通りにある歴史を感じさせる日本建築のこちらも見逃せません。和の文房具がズラリと並び、壮観です。紙、筆記用具、ポチ袋など、欲しいものばかり!」

  • ■京都鳩居堂
  • 住所/〒604-8091 京都市中京区寺町姉小路上ル下本能寺前町520
  • TEL075-231-0510
  • 営業時間/10:00~18:00
  • 定休日/日曜日(祝日、祭日は営業)

■ぴょんぴょん堂 京都本店

「京都でも一、二を争う賑やかな寺町京極通りにある、『かわいいものならこの店!』的な存在です。舞子さんたちもよく買いにくるという、かわいい縁起のよい柄の、納札(花名刺)、懐紙、ポチ袋などがそろいます」

  • ■ぴょんぴょん堂 京都本店
  • 住所/〒604-8043 京都市中京区寺町通錦小路下ル東大文字町310京極一番街ビル1F
  • TEL075-231-0704
  • FAX075-744-1804
  • 営業時間/10:00~20:00
    年中無休

■京都版画館 版元まつ九

「原則として、予約しないと店内に入れないのですが、その手間をかけてでも訪れる価値ありです。木版画の素晴らしい作品が展示されていて、もちろんその場で購入できるし、自分の名前を入れた原稿用紙や便せん、封筒も、柄を選んでオーダー可能。後日、京都から完成品が届くのを持つのも楽しいものです」

  • ■京都版画館 版元まつ九 
  • 住所/〒606-8357 京都市左京区聖護院蓮華蔵町33
  • TEL075-761-0374
  • 営業時間/10:00〜16:00
  • 定休日/日曜日、祝日

■雲母唐長

「京都でもっとも有名な版元。長い歴史を誇りますが、四条烏丸(しじょうからすま)のKIRA KARACHO 四条店は、木版刷りの美しいハガキなどが気軽に買えるので、外国人の観光客などで、いつもにぎわっています」

  • ■雲母唐長
  • 住所/〒600-8411 京都市下京区水銀屋町620 ココン烏丸1F(KIRA KARACHO 四条店)
  • TEL 075-353-5885 
  • 営業時間/11:00~19:00 
  • 定休日/火曜日

以上、ポチ袋コレクター喜多容子さんによる「ポチ袋活用法&名店リスト」でした。自身の人間関係にちょっとした喜びや感謝の気持ちを呼び覚ますことができる、一枚の紙の袋。このような小さな気配りにこそ、上品な女性になれるヒントが隠れているのかもしれませんね。

※写真の商品は私物になります。現在は販売していない可能性もあります。

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この記事の執筆者
小学館にて女性誌編集に携わる。その後、フリー編集者を経て、1992年に編集プロダクション・オフィスHATSUを設立。雑誌『Precious』のエディトリアル・ディレクターとして、創刊号よりファッションを中心に、編集企画・構成を担当している。
EDIT&WRITING :
HATSU