ボルボ車にグーグルアシスタントが乗った。いや、載った。スウェーデンのボルボが、グーグルと共同で開発したインフォテイメントシステムを、同社のモデルに搭載。そのなかの1台「XC60」を、2021年11月に体験した。
将来は車内と自室の連携も
ボルボ車に載ったグーグルのシステムは「グーグルアシスタント」「グーグルマップ「」「グーグルプレイ」。要は、「アンドロイドオートモーティブOS」を採用したインフォテイメントシステムだ。共同開発というかたちで、ボルボによると、同社が初採用という。
ボルボ車内で「オーケイ、グーグル」と呼びかけたあと、どこどこに行きたい、とか、何なにをかけて、と使える。iPhoneのようにマイクのボタンを操作する必要もない。このシステム完成までには、わずか3年しかかからなかったそう。
実車をドライブしながら試したときは、まだグーグルアシスタントが日本語に対応していなかったため、英語でコマンドを入れた。「Take me to Disney Land」といえば、クルマのモニター画面内でグーグルマップが起動するし、「Play Let It Be」といえばSpotifyかYouTube Musicなどストリーミングサービスから曲を引っ張り出してかけてくれる。感心したのは速度の速さ。
ボルボカージャパンの技術担当者によると、21年中には日本語に対応するという。ボルボ車のオーカーがグーグルのアカウントを持っていれば、さらに機能が拡張する。
Google Playにも接続できるので、アプリもダウンロードできる。将来的に、自宅で地図を設定して車載ナビゲーションシステムに転送したり、あるいは、自宅のスマートスピーカーを通じて家のエアコンや電灯を車内から音声でコントロールできるようになるそうだ。
このサービスが搭載されるのは、「XC60」「V90」「V90クロスカントリー」「S90」といったモデルから。このリストのなかにないモデルに、グーグルアシスタントを搭載するのは不可能とのこと。念のために記しておきます。
運転支援システムをアップデート
XC60シリーズはほぼ同じタイミングでマイナーチェンジを受けた。乗ったのは、XC60 AWD B5 インスクリプション。日本市場でとりわけ人気の高いモデルだそう。
マイナーチェンジの眼目は、フロントとリアの意匠変更がひとつ。とくにフロントではバンパー一体型エアダムの形状が変わり、直線的でエッジのたった造型となった。
運転支援システムもより充実。ひとつは「先行車発進告知機能」の追加だ。前方車両が発進してもドライバーが気がつかないと、センターディスプレイにシンボルとメッセージを表示する。もうひとつは、後退時の「リヤ衝突回避被害軽減ブレーキシステム」。障害物があったばあい、時速10キロ未満のなら、ブレーキを介入させ、衝突の回避をサポートするというもの。
インテリアは基本的な造型は不変。今回のグーグルアシスタント搭載のため、これまで「センサス」と呼ばれていたインフォテイメントシステムのアーキテクチャーは大きく変わり(眼には見えない部分)、ここがもっとも“進化”したポイントという。
走りは、2リッター4気筒ガソリンエンジンに、マイルドハイブリッドを組み合わせたシステムの恩恵で、スタートからスムーズ。加速性にもすぐれ、爽快だ。足まわりもしなやかに動き、XC60は2017年のデビューから、どんどん改良をうけていいクルマになっているのが印象的だった。
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- 小川フミオ ライフスタイルジャーナリスト