「喧喧囂囂」ってなんと読む?「侃侃諤諤」と混同しやすい言葉です!
明日、12月6日は、『水戸黄門』の愛称で広く知られる、江戸時代の水戸藩主・徳川光圀の忌日で、『黄門忌』とも呼ばれています(「黄門」は、水戸光圀の役職「中納言」の異称)。江戸幕府初代将軍・徳川家康の孫にあたる人物です。
お供を連れて、世直しがてら諸国漫遊をしたイメージがありますが、あのようなエピソードは、実はフィクション。実際の水戸光圀は、諸国漫遊はしていなかったようです。
しかし名君として大変名高く、父の死去に際して配下の殉死を禁じ、のちの幕府の殉死禁令に示唆を与えたり、
歴史書の編纂や文化財の保護など、政治以外の文化事業にも大きな功績を遺した事で知られています。
名君・水戸光圀をモチーフに、講談や芝居の演目が制作されるようになり、時代を経るごとに脚色が強烈になっていったようです。その結果「水戸黄門の世直し諸国漫遊譚」という、定番の大人気フィクション・コンテンツが成立してしまったわけです。
…というところで、本日1問目のクイズに参りましょう。
【問題1】「喧伝」ってなんと読む?
「喧伝」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「盛んに言いはやして世間に広く知らせること。」という意味の言葉です。
<使用例>
「水戸光圀の世直し諸国漫遊譚は、喧伝されたフィクションだったのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 喧伝(けんでん) です。
「喧伝(けんでん)」…。「宣伝(せんでん)」と間違えそうですが、「喧」の字に口偏がついており、「喧」の訓読みは「喧しい(やかましい/かまびすしい)」です。
「言いはやす」「言いふらす」などの表現は、フォーマルな場ではちょっとくだけ過ぎな感がありますので、
「喧伝(けんでん)」という言葉、大人のボキャブラリーとしてストックしておくと安心ですね。
さて、2問目は、「喧」の入った四字熟語のクイズです。
【問題2】「喧喧囂囂」ってなんと読む?
「喧喧囂囂」という四字熟語の、正しい読み方をお答えください。
ヒント:「多くのひとがやかましく騒ぎ立てるさま。」という意味の言葉です。
<使用例>
「先日の会議では、まさかのトラブルの対処で喧喧囂囂の状態でした。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 喧喧囂囂(けんけんごうごう) です。
「喧喧囂囂(けんけんごうごう)」とよく混同される四字熟語に「侃侃諤諤(かんかんがくがく)」があります。「激しく議論をするようす。」という意味も、語感も似ており、混同されがちです。
混同の例として「けんけんがくがく」「かんかんごうごう」など、二つの四字熟語を混ぜてしまう例があるようですが、どちらもおかしな言い回しですので、誤ってお使いにならないようご注意ください。
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本日は、12月6日・水戸光圀の忌日にちなんだトリビアと、
・喧伝(けんでん)
・喧喧囂囂(けんけんごうごう)
・侃侃諤諤(かんかんがくがく)
などの日本語についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:MHK放送文化研究所ウェブサイト/『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱