トレンドのボリュームスニーカーも素敵ですが、シンプルを極めたクラシカルな佇まいの「ローテクスニーカー」なら、大人のデイリーコーディネートにすっと寄り添ってくれます。目立ちすぎず、カジュアルになりすぎず、けれどしっかり抜け感を授けてくれる。そんな縁の下の力持ち的存在のローテクスニーカーに改めて注目してみましょう。

■1:パトリシア・ウィルシュクは…パンツと同色で繋いだスニーカーは、ハイカットで抜けを作りすぎない

足首が見えないハイカットのスニーカーなら、カジュアルさはそのままに、ラフになりすぎません。
足首が見えないハイカットのスニーカーなら、カジュアルさはそのままに、ラフになりすぎません。

インフルエンサー兼美術史家として活躍するパトリシア・ウィルシュクをドイツのデュッセルドルフでスナップ。黒とアースカラーのバランスが小気味良い着こなしを見せました。

黒で統一したトップス、パンツ、スニーカーの組み合わせは、ニット、レザー、キャンバスのように異素材をかけ合わせることでのっぺりして見えるのを回避。タフなレザーパンツにあえてカジュアルなスニーカーを添えるバランスが、粋なオーラを放ちます。スニーカーは、ショートブーツ感覚で足首まで覆うハイカットを選ぶことで“抜けを作りすぎない”ことに成功。

そんな黒コーディネートに淡いカーキのチェスターロングコートを合わせ、色のメリハリをオン。スリット入りなので、歩くたびに裾が揺れて絵になります。ツヤのあるキャメルのレザートートバッグでぬくもりとリッチさをプラスしてフィニッシュ。

■2:ステラ・マッカートニーは…上質なツヤの宿る白スニーカーで洗練をキープ

足元をリラックスさせることで、気張りすぎないこなれたバランスに着地します。
足元をリラックスさせることで、気張りすぎないこなれたバランスに着地します。

パリのリッツ ホテルから出てくるところをキャッチされた、ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー。軽やかな白のスニーカーで、都会に似合う大人のカジュアルミックススタイルを披露しました。

ぬくもりを感じるベージュのニットプルオーバーとパンツの組み合わせに、千鳥格子のロングコートを合わせエレガンスを醸しました。パワーショルダーになっているので、モードなキレが加わって意志ある表情に整います。トップスとパンツの色と合わせたバッグは、ゴールドのチャンキーチェーンストラップでモダンさを上乗せ。

きちんとした着こなしなので、足元にスニーカーを迎えることで適度にカジュアルダウンし、こなれ感を演出。白のレザータイプなら、洗練された様をそのままキープすることができます。

■3:ロージー・ハンティントン=ホワイトリーは…白スニーカーで颯爽ときまるブラックコーデをメイク

対極にある白と黒だからこそ、少量の白を散らしても存在感抜群です。
対極にある白と黒だからこそ、少量の白を散らしても存在感抜群です。

2021年4月、NYのSOHOでキャッチされたロージー・ハンティントン=ホワイトリーの着こなしをピックアップ。シックな黒の装いにリズムが生まれる、真っ白な小物を活用していました。

しなやかな光沢を放つ黒のレザーコートは、ノーカラーや共布ベルトが優雅な雰囲気を作ります。タフさを持ち合わせたアウターには、同色のスリットパンツと白スニーカーを合わせ親しみやすさを加味。スニーカー、バッグそれぞれ真っ白を選べば、黒とのコントラストが相まってクリーンで軽やかなムードがぐっと引き上がります。

端正な白黒コーディネートに馴染むよう、ヘアはすっきりとタイトに。厚めのフープピアス、そして黒マスクが表情をきりりと引き締めます。


大人スタイルに馴染ませたい「ローテクスニーカー」活用術をお届けしました。

クラシカルなアイテムでタイムレスに活躍するので、改めてその魅力を味わったり、久しぶりに新調してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
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PHOTO :
Getty Images
EDIT&WRITING :
阿部芙美香