仕事からプライベートにいたるまで、スマートフォン(以下スマホ)、パソコン、Wi-Fiなどのデジタル機器に囲まれて暮らしている現代人。なくてはならないツールではあるが、デジタル機器から発生する電磁波が、肌トラブルや不調の原因となっている可能性が大きい。いつまでも若々しく健康で過ごすためには、いま一度デジタル機器との関わり方を見直す必要がある。
男性とデジタル機器
現代社会において、デジタル機器は必要不可欠であり、パソコン、スマホ、Wi-Fiは仕事をする上で必須である。とくに男性の電子機器の利用時間は、パソコン72%(女性は58.4%)、携帯型ゲーム機28.8%(女性は18.6%)、テレビゲーム機33.2%(女性は17.8%)と女性に比べて高い傾向にある。
また、男性は女性に比べてメール使用が約15%、オンラインゲーム・ソーシャルゲームが約8.5%、平均利用時間が長い。一方で、ソーシャルメディアの平均利用率は、特に10~20代の若年層で女性の方が長い結果となっている(平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査:総務省)。
過剰な電磁波は有害なものという意識をもつ
そもそも電磁波とは、電界と磁界が影響し合いながら、光と同じ速さで空間を伝わっていく波のことを指す。太陽光線やレントゲン撮影に用いられるX線、デジタル機器が発する電波など、すべてひっくるめて電磁波と呼ぶ。
今回問題視している電磁波は、スマホやパソコンなどのデジタル機器から発生する電波だ。原因不明の頭痛や肩こり、慢性的な疲労や不眠、肌トラブル、冷え性、不妊、アレルギーといったからだの不調だけでなく、イライラや鬱など、精神面での不調が出る場合もある。そして、そんな症状を抱えた状態が当たり前になっている人が多いのが実情だ。
電磁波と肌トラブル
■1:帯電による血液循環の悪化
電磁波が引き起こす静電気は、皮膚の表面に帯電し、血流の流れを停滞させ、冷え性や皮膚の乾燥、湿疹の原因になる。
健康的で美しい肌を維持するには、皮膚の循環を正常に保ち、栄養を十分にいきわたらせることが重要である。
■2:ブルーライトによる肌の光老化
近年、無意識に浴び続けるブルーライトが問題視されている。ブルーライトとは、波長が380~500nm(ナノメートル)の青色光のことで、ヒトの目で見ることのできる光(可視光線)の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーをもっている。
パソコンやスマホなどのディスプレイやLED照明に、このブルーライトが多く含まれているのは周知の事実だが、このブルーライトによる刺激が、肌の活性酸素が発生させ、くすみやシミ、小じわ、乾燥などの肌トラブルを悪化・進行させていることも知っておいてほしい。
■3:自律神経の乱れによる不眠や免疫力の低下
網膜に到達する光の中で、もっとも紫外線に近い強いエネルギーをもつ光がブルーライトだ。
デジタルディスプレイなどから発せられるブルーライトは、目やからだに大きな負担をかけるため、厚生労働省のガイドラインでも「1時間のVDT(デジタルディスプレイ機器)作業を行った際には、10〜15分程度の休憩をとる」ことが推奨されている(令和元年)。
過剰なブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制してしまい、サーカディアンリズム(体内時計)を狂わせ、夜間になっても体が休眠モードに切り替わらなくなる。その結果、寝つきが悪い、眠りが浅いなど、不眠の症状を抱えることに…。
通常、入眠後最初の3時間で成長ホルモンが最も分泌され、日中に紫外線などで受けた細胞のダメージを修復してくれのだが、その時間に適切な睡眠ができない場合、肌の回復が間に合わなくなってしまう。
また、ブルーライトを浴びることで交感神経が優位になり、不眠やストレスの蓄積が誘発され、免疫力の低下につながる可能性もある。免疫力の低下は、大人ニキビや肌荒れを引き起こす原因にもなるので気をつけたいところだ。
できることから始める3つのデジタル・デトックス!
現代においてデジタル機器は必須であり、生活の一部である。デジタル機器の使用をやめるのではなく、うまく付き合っていくことが必要である。
まずは生活に支障の出ない、身のまわりで簡単にできる「デジタルデトックス」をおすすめしたい。
■1:デジタル機器は寝室に持ち込まない!
電磁波は距離が近いほど影響が大きく、とくに細胞分裂が盛んな臓器に影響を与えやすい。夜間、スマホをいじりながら寝落ちして、一晩中、頭のそばで電磁波を浴びることは、絶対に避けるべき。
どうしても、仕事の関係などで持ち込む必要がある場合は、寝る前に必ず機内モードにして頂きたい。また、夜間のWi-Fiをオフにするのが理想的だ。
ちなみに我が家のWi-Fiは、夜間のみ自動タイマーで電源が切れる仕様となっている。
■2:コンセントや電化製品と距離をとる
デジタル機器のみならず、電化製品に囲まれた現代人の生活は、電磁波の影響を大きく受けている。とりわけ、日本の住宅は便利さを追求することによって、電気配線の量が非常に多い。そんな家庭内での電磁波から身を守るためには、電化製品やコンセントと60cm以上の距離をとるのが有効だ。
■3:ポケットにスマホを入れるのをやめよう
近年、第5世代移動通信システム(通称5G)になり、スマホの電磁波はますます増大している。特に男性は、女性よりもスマホをポケットに入れることが多く、体に密着させている時間が長い。電磁波は細胞分裂の盛んな細胞に影響しやすく、当然、生殖機能への影響も例外ではない。スマートフォンはポケットではなく、カバンに入れて持ち運ぶのが正解だ。
身近なところから「デジタルデトックス」をはじめて、若々しい肌と健康を維持したいものだ。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- EDIT :
- 新田晃代