疲れがとれにくい、眠りが浅い気がする…。そんな睡眠の悩みを抱えていませんか? 今回は「眠りのプロ」に、大人の女性が抱えがちな睡眠の悩みの原因と改善策を教わります。
■30~40代以上の大人の女性が抱える睡眠の悩みとは?
お話を聞かせてくれたのは、東京西川のスリープマスター速水美智子さん。一人ひとりに最適な寝具選びのアドバイスや、上質な睡眠環境を提案しています。
速水さんによると、2017年3月から開始した東京西川の新サービス「ねむりの相談所」に来た30~40代女性から寄せられた相談内容のうち、特に多いのが次の3つだそう。
・疲れがとれにくい
・眠りが浅いような気がする
・肩・腰が痛い
思わず「そうそう!」と反応してしまった人は多いのではないでしょうか。
ちなみに、ねむりの相談所では、活動量計で自分の眠りを計測してくれるそう。その測定の指標は「睡眠時間、寝つき、睡眠効率、睡眠の質、日中の活動度」の5つ。このうち、30~40代女性はどの指標が足りていないことが多いのでしょうか。
「30~40代の女性は、『睡眠時間』と『日中の活動度』が不足している傾向にあります。働いている方だと十分な睡眠時間がとれないことが多く、さらに運動不足だと睡眠が浅くなるため、『疲れがとれにくい』や『眠りが浅いような気がする』などのお悩みにつながっているのだと思います」
これらの睡眠悩み、どうすれば改善するのでしょうか。早速、教えていただきましょう!
■「疲れがとれにくい」「眠りが浅いような気がする」の原因と改善アドバイス
【原因】
■1:睡眠時間が足りていない
(睡眠不足が続き、たまった「睡眠負債」が返済できていない)
■2:睡眠の質が低下している
【改善アドバイス】
■1:睡眠時間が足りていない
●休日に少し長めに寝る・短時間の仮眠をとる
「睡眠負債を返済するには、睡眠をとるしかありません。1時間多く睡眠をとるだけでも、日中のパフォーマンスが大きく変わってきます。毎日の睡眠を確保することが難しい場合は、時間がある休日などに少し長めに眠ること。ただし生活リズムを崩さない2時間程度にすることが重要です。
また昼寝をする場合は15~20分程度に。長時間深く寝てしまうと、かえって夜眠れなくなる可能性があるため、仮眠をとる場合は横になって寝るのではなく、イスにもたれたり机に伏せたりするといいです。よりスムーズな入眠のためには、心身ともにリラックスすることが大切なので、抱き枕を使用するのもおすすめ。抱き枕のふわふわした感触や、身体を受け止めるクッションが、よりリラックスした状態へと導いてくれます」
■2:睡眠の質が低下している
●寝る前の過ごし方を工夫する
「入浴は血行を促進し、身体の中心部から体温を上げるため、入眠しやすい状態をつくるのに役立ちます。就寝の1時間前くらいに、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かりましょう。身体に負担が少なく、汗を多くかくことができる半身浴もおすすめです。
また、コンビニなどの明るい照明、テレビ、パソコン、スマホの使用など、光が脳を活性化させ寝つきが悪くなる可能性があります。就寝直前は控えましょう」
●季節や自分の身体に合った寝具を使う
「洋服と同じように、季節に合わせて寝具も衣替えをしましょう。布団の中の環境が適切に保てていないと、途中で目が覚めたり眠りが浅くなったりすることがあります」
■「肩・腰が痛い」悩みの原因と改善アドバイス
【原因】
●マットレスの固さに問題がある
「人はひと晩に20回くらい寝返りを打つといわれており、適度な寝返りは身体の負荷を逃がしたり、体温や湿度を調整したりするために大切なものです。しかしマットレスがやわらかすぎると寝返りがしにくく、圧迫され続けた部分に負荷がかかります。またお尻など重い部分が沈み込んで、寝姿勢が崩れ、腰痛につながることがあります。
一方、硬すぎるマットレスを選ぶと、肩やお尻など凸(とつ)部分だけで身体を支えることになり、寝ているうちにその部分が圧迫されて痛くなることがあります。また、逆に寝返りの回数が増えてしまって、快眠が妨げられることにもつながります」
【改善アドバイス】
●身体に合うマットレスと枕を使う
「大切なのは、適度に沈み、仰向けに寝ても、横向きに寝ても、まっすぐ立っているときのように自然な姿勢が崩れないようなマットレスを使うことです。
また枕が合わないと、寝ているときの姿勢が崩れるため、肩が凝ったり、首すじに痛みを覚えてしまったりすることがあります。ぐっすり眠りにくいので疲れがとれず、途中で目が覚めてしまう場合も。何より自分に合ったマットレスと枕を使うことが大切です」
■睡眠でアンチエイジング効果も期待できる!
睡眠の悩みを抱えている人は、ぜひこれらのアドバイスをヒントにしたいもの。そして睡眠は疲れをとってくれるだけでなく、女性にうれしいアンチエイジング効果も期待できるといいます。
「睡眠中は、アンチエイジングに欠かせない『成長ホルモン』が最も分泌される時間です。成長ホルモンには、骨密度を増やす、皮膚のハリを保つ、シワを減らす、脂肪を減らすなどの働きがあります。30歳前後を境に分泌が減っていくため、質の高い睡眠をとり、できるかぎり分泌を高めることが重要です」
お疲れ気味の人や、肩や腰が気になる人、アンチエイジングに取り組みたい人は、ぜひ今回の質の高い睡眠をとる方法を参考に、睡眠事情を見直してみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利