歌舞伎俳優・九代目松本幸四郎さんの孫で、七代目市川染五郎の長男の藤間 齋(ふじま いつき)くん、12歳。歌舞伎界で300年続く高麗屋に生まれ、4歳で松本金太郎として歌舞伎俳優の道を歩み出しました。そして来たる2018年1月、八代目・市川染五郎を襲名します。そんな金太郎さんを2歳の初お目見得から、なんと10年間にわたり密着取材したテレビ番組が、2018年1月7日に放送されます。

家族そろっての北海道旅行でのプライベート映像や、おばでもある松本紀保さんと松 たか子さんによる語り下ろしエピソードも収録。宿命を背負い、数々の苦悩と立ち向かいながら新たなステージへと羽ばたく若き歌舞伎俳優の姿を、秘蔵映像とともに描いたスペシャルな番組です。

ここで、新染五郎さんについて予習し、より深く楽しむために、歌舞伎に精通するライターの矢口由紀子さんにその見どころを4つ、おうかがいしました。

■1:2歳で歌舞伎座に初登場

観客に向かって「がんばるぞー」と叫ぶ金太郎さん

「2005年3月27日生まれの新染五郎さんは、十代目を襲名する新・松本幸四郎さんを父に、二代目を襲名する新・松本白鸚さんを祖父に持ちます。2歳のときに本名の藤間 齋で舞台に初めて登場し(「初お目見得」と言います)、父上が主役を演じる『侠客春雨傘』の劇中、おじいさまに手を引かれ舞台に現われ、『頑張るぞ!』と一言発したのでした。2歳にして25日間毎日、2000人の観客の前に立つのですから、歌舞伎俳優ってすごいです、やはり」

■2:憧れの「連獅子」で初舞台

祖父・父・子の三代で連獅子を舞うことが決まり、猛稽古の日々。

「四代目松本金太郎を名乗っての初舞台は2009年。小さいころから、ビデオが擦り切れるくらい、獅子が毛を振る作品を観るのが大好きだった彼。しまいには頭にマフラーを巻きつけて振り回していたとか。そんな彼のために、初舞台では『門出祝寿連獅子』という作品がつくられ、おじいさま、父上とともに3人で獅子を踊ったのでした。写真はそのときの稽古の様子。厳しい稽古でしたが、その当時のことは『覚えていない』のだそうです。もちろん、当時から歌舞伎ファンの間では『めっちゃかわいいい!』と大評判でした」

■3:期待以上の美少年に成長!

12歳になった松本金太郎さん。
7歳のときには展覧会を開き、今では毎月雑誌に連載コーナーを持つほどの腕前。

「2016年12月に襲名が決定。再びメディアで大きく取り上げられた彼に『こんな美少年、どこに隠してたの!?』と驚く人が多数いました。が、彼が面白いのは、頭の中がヴィジュアルを裏切るところかも。仏像フィギュア(仏像の形が好きらしいです)をコレクションしていたりするほか、大好きな映像作品はザ・ドリフターズのコントDVDなのだそうです。そして今、もっとも気になる女性は吉本新喜劇の『すち子』というのですから。番組の中では、趣味の絵を描いているシーンが観られます。また、歌舞伎俳優一家という感じですが、自宅でぬいぐるみを役者に見立てた芝居づくりを手がけるシーンも必見です』

■4:1月、2月は歌舞伎座で新・染五郎さんに会える!

楽屋で化粧をする金太郎さん。
高麗屋三代襲名披露会見にて。

「なかなかマニアックでユニークな面もある彼ですが、愛してやまないのはやはり歌舞伎。高麗屋三代襲名と銘打たれた襲名披露公演は、1月、2月の歌舞伎座で始まりますが、1月には父・新幸四郎さんが弁慶を演じる『勧進帳』で義経を。2月には祖父・新白鸚さんが大星由良之助を演じる『仮名手本忠臣蔵』で、大星力弥を演じます。なかでも『勧進帳』は高麗屋を代表する作品で、彼にとっても弁慶は、いつか絶対に演じたい役。大先輩に混じってその舞台に立てることに、とても緊張しているとか。ぜひ彼を観に歌舞伎座へ。そして1月7日放送のドキュメンタリー番組もお忘れなく」

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WRITING :
矢口由紀子
EDIT :
宮田典子
写真提供 :
静岡朝日テレビ(『高麗屋三代襲名スペシャル 八代目市川染五郎  密着3650日~12歳・若武者が生まれるとき~』)より。