1963年にパリ16区に初のブティック「WHITE HOUSE」をオープンさせて以降、独創的で発想豊かな「レノマ パリス」は、セルジュ・ゲンスブールやイヴ・サンローランなどを始めとする数々の著名人を顧客にもつ歴史あるブランドだ。現在は、ドメスティックブランド「CLASS(クラス)」のデザイナーである堀切道之氏によるディレクションのもと、一世風靡したかつての面影を残しつつも、現代的なクリエイションによって再構築されている。その代表作とも言えるブレザーは、緻密なバランスから形成される美しい側面とアバンギャルドな側面を併せ持ち、「ブレザー」という言葉では一括りできないほど個性的であり芸術的である。
フランスのエッセンスを宿した「レノマ パリス」のブレザー
「レノマ パリス」のブレザー『VERNEUIL(ヴェルヌイユ)』。1960年代後半から1970年代にかけて、パリのサンジェルマンを中心に集う当時の若者のファッションからインスピレーションを得て、肩パッドを入れたスクエアショルダー、シェイプしたウエストから裾にかけて広がりを見せる着丈の長いシルエットが特徴的だ。生地にはウールとモヘアを混紡したドーメル社の「トニック ウール」を採用。強撚糸によるシワになりにくいハリコシ感と光沢感がシルエットをより強調させていて、その佇まいはどこか芸術品のような美しさすら感じさせる。
セルジュ・ゲンスブールを意識したラフなスタイル
洒落者であったセルジュ・ゲンズブールは、ブレザーにミリタリーシャツとデニムを合わせてラフに着こなしていた。そんな氏のコーディネートに見習い、チェックのウエスタンシャツ、切りっぱなしのデニムを合わせて男臭さを表現。当時の足元は「レペット」の白がお決まりだったが、ここではやや丸みのあるトウの「ソロヴィエール」で、少しマイルドな印象に。
以上、「レノマ パリス」のブレザーを紹介した。アメリカ的でもイタリア的でもない、構築的で芸術的なブレザーだからこそ、王道とは一線を画す。ファッションとしての面白さが詰まったブレザーを、自分なりに楽しんで着こなしていただきたい。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- STYLIST :
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