以前お伝えした、“LVMHウォッチ ウィーク 2022”の新作“デファイ ミッドナイト”やカラフルな替えストラップなど、近年はファッショナブルなデザインで女性たちに寄り添うウォッチメイキングにも注目を集めている「ゼニス」。
もちろん、それらもとても魅力的ではあるけれど、やっぱり「ゼニス」といえばクロノグラフ! そう、時計史に燦然と輝くクロノグラフムーブメントの名品であり、マニュファクチュール「ゼニス」の代名詞である「エル・プリメロ」を搭載したラグジュアリースポーツウォッチこそが真骨頂です。
それを改めて印象づける新作が、“WATCHES & WONDERS GENEVA 2022” で発表されました!
オープン? それともクローズド? 文字盤の意匠とサイズが異なる、双子の名品クロノグラフを新発表!
今回ご紹介するのは「ゼニス」の絶対的アイコン、“クロノマスター”の2モデル。ひとつ目は、文字盤に開けられた小窓から「エル・プリメロ」のハートビートを見て、感じることができる“クロノマスター オープン”です! 従来42mmだったケース径を39.5mmまで小さくしたことからも、女性ユーザーを意識したジェンダーフリーウォッチへと進化させるという、「ゼニス」の心意気が伝わってきます。
「エル・プリメロ」の鼓動を外から目で楽しむことができるオープンハートのデザインが初めて生まれたのは、2003年。「ゼニス」の至宝であるこのムーブメントの動き、美しさをダイヤルデザインの主役に据えたこの意匠は、当時としては非常に画期的なこと。ムーブメントの一部を魅力的なディテールへと昇華させたタイムピースは、時計愛好家だけでなく、ファッショニスタたちの心もわしづかみにしました。
以来約20年の時を経て、「ゼニス」の象徴であるクロノグラフコレクションに加わったのが、この“クロノマスター オープン”。1969年に発表された伝説的なクロノグラフ“A386”の、アイコニックで洒脱な3色のインダイヤルのデザインを継承し、スポーティでいながらエレガンスも漂わせるラグジュアリースポーツウォッチの誕生です!
インダイヤルのカラーリングが、洒脱で洗練された手元へと導く“クロノマスター スポーツ”
もうひとつの新作は、“クロノマスター スポーツ”。“クロノマスター オープン”の文字盤のスケルトン部分を閉じた、双子のようなモデルです。
オールローズゴールドのこの迫力! 2022年の「ゼニス」の気迫が伝わってくるのが、このゴールド使い。これまで、クールなステンレススティールのイメージが強かった「ゼニス」ですが、“クロノマスター オープン”とともに積極的にローズゴールドを取り入れ、ラグジュアリー感を強めました。ともすればトゥーマッチになり過ぎるオールゴールドの時計ですが、そこは正統派マニュファクチュールの「ゼニス」。端正な三つ目インダイヤルのでザイン、カラーリングと中和し、華美になり過ぎない絶妙なリッチバランスを構築します。
他にも、ステンレススティール&ローズゴールドのコンビ、シンプルなステンレススティールも展開。
文字盤こそ「クローズド」な“クロノマスター スポーツ”ですが、すべてケースはシースルーバック。私たち女性たちの多くは、正直、ムーブメントに対する蘊蓄(うんちく)にときめきを覚えないと思いますが、やっぱり、せっかくの本格機械式時計! しかも「エル・プリメロ」という名ムーブメントなら、シースルーバックは嬉しい仕様ではないでしょうか。
人々は「ゼニス」を「真のマニュファクチュール」と呼びます。なぜなら、「ゼニス」の時計の100%、すべてが、完全自社製ムーブメントを搭載した機械式時計だから。実はこれは、非常に稀有なこと。「マニュファクチュール」を謳いながらも、エントリープライスのモデルにはムーブメント供給会社から仕入れたものを搭載しているメゾンが多いのが実情だからです。なので「ゼニス」のこの、一本筋の通ったウォッチメイキングは、特別なステイタスを誇り、時計界の良心として一番星の輝きを放ち続けているのです。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト