“WATCHES & WONDERS GENEVA 2022”に参加したメゾンの中でも、群を抜く豊かな創造力を発揮し、多くの新作ウォッチを発表した「シャネル」これまで、“マドモアゼル J12”、“J12 ダイヤモンド トゥールビヨン”といった特別な“J12”とカプセルコレクションをお届けしてきましたが、「シャネル」のウォッチメイキングの世界は深く、まだまだ奥行きがあります。
“マドモアゼル プリヴェ”…それは「時計製造」の概念を超越し、ジュエリーとクチュールの職人技に捧げるオマージュ。「シャネル」が誇る伝統技術、メティエダール(芸術的手仕事)の限りを尽くしたコレクションです。
「高度な職人技を際立たせる」というテーマに忠実に、より発展させた“マドモアゼル プリヴェ ブトン”
卓越したクラフツマンシップによる表現の舞台となるこのコレクションには、「完璧な仕上げ」と「手作業がもたらす繊細さ」が融合しています。そう、無条件に女心をくすぐる「シャネル」のシンボルに満ちたその世界観は、絶対的な女性らしさに捧げるオマージュなのです。
2012年に初めて“マドモアゼル プリヴェ”のウォッチコレクションを発表して以来、さまざまなアプローチで、芸術的かつ唯一無二のジュエリーウォッチを生み出してきた「シャネル」。
そして、2020 年と 2021 年、「シャネル」のウォッチ クリエイション スタジオは、マドモアゼルに敬意を表し、「シャネル」のスタイルを完成させるのに欠かせないアイコニックなジャケットを彩る「ボタン」に着想を得た“マドモアゼル プリヴェ ブトン”を発表しました。この作品は時計界、ジュエリー界だけではなく、ファッション界にも大きなセンセーションを巻き起こしました。
そして2022 年、「シャネル」は「高度な職人技を際立たせる」というテーマに忠実に、この“マドモアゼル プリヴェ ブトン”をより発展させ、さらなる非凡さを発揮した新作の数々を披露しました!
「時計=手首につけるもの」という既成概念を超えたタイムピースジュエリー
最初にご紹介するのは、“オール セリ マドモアゼル プリヴェ ブトン”。それはゴールドのパールを中心にデザインされたパリュール…さまざまなアイテムが揃ったジュエリーのセットです。ソートワール(長い首飾り)、リング、イエローゴールドのカフ ブレスレットの3アイテムで展開されています。
ソートワールは、半分にカットしたゴールドのパールをボタンにセット。外側のブラックオニキスと、ノーブルなコントラストを奏でます。時計の顔はその裏側に。ブリリアントカット ダイヤモンドが127個セッティングされ、随所にあしらわれた大きさの異なるダイヤモンドとともに優雅に輝きます。
そして、ゴールドパールとブリリアントカット ダイヤモンドがあしらわれたボタンの下にダイヤルを忍ばせたシークレットウォッチ。大粒で見事な光沢を湛えるゴールドパールが、圧倒的なオーラを放ちます。
3つ目は、何とも愛らしいリング! こちらもカフと同様、大粒のゴールドパールをあしらった蓋を開けると、時計の顔を覗かせるシークレットウォッチです。
手首だけではなく、首に、そして指にも! マドモアゼルが愛した大胆さと自由なスタイルが、ウォッチ クリエイション スタジオにインスピレーションを与え続けています。
「シャネル」の物語を秘めたモチーフたちが、文字盤を隠したボタンの蓋に息づくシークレットウォッチ
オートクチュールの世界観を時計に映し出す“マドモアゼル プリヴェ ブトン”のカフ ウォッチ。2022年は自由で大胆な創造性をさらに発揮し、バリエーションを広げました。
■1:ピンクのキルティングカーフ×ビザンチンモチーフ
トルマリンとダイヤモンドが華やかに輝くモチーフは、ビザンチンから着想を得たもの。ピンクのキルティングカーフのカフの愛らしさが、甘美に心をくすぐる。
■2:ブラックのヴェルヴェット×オバジーヌモチーフ
マドモアゼルが幼少期を過ごした、オバジーヌ修道院のステンドグラスをイメージした荘厳なデザインのピースは、クッションカットのセンターダイヤモンドがモチーフの中央で、圧倒的な存在感を放って。
■3:バーガンディー ヴェルヴェット×カメリアモチーフ
「シャネル」を象徴するカメリアモチーフは、何とロッククリスタル製! このクリエイションは、彫金や宝石彫刻の最高峰の職人技術を駆使し、ロッククリスタルのドームに緻密に彫刻し実現しました。硬質なクリスタルに姿を変えた豊かなブロンズカラーのカメリアは、光を取り込み燦然と輝きます。
■4:“ルサージュ”刺繍のブラックビーズ×ノットモチーフ
2021年に初めて発表された、“ルサージュ”の刺繍技術を取り入れたカフは、今年はまた新たなモチーフをまとい、再び登場しました。ブラックビーズがあしらわれたカフのボタンには、パールとダイヤモンドで装飾したノットモチーフが組み合わされています。
控えめなジュエリーよりも、ボリュームのあるブローチ、ネックレスや太いカフブレスレットを重ねてつけることを好んだマドモアゼル。
マドモアゼル シャネルのプライベートな世界へ通じるドアを開き、彼女が大切にしたシンボルや、いつもそばに置いていたものを収める宝石箱をイメージしてデザインされるこれらのメティエダール コレクションでは、比類なきクラフツマンシップによる驚きに満ちた作品を、これからも創造し続けていくことでしょう。
※掲載商品の価格は、すべて公開時のもので、税込みです。
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- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト