【SDGsדやさしいファッション”】視点2「それは信用できる?」
「SNSの広がりで、“嘘がつけない”時代。社会的責任を果たしているかどうかも、ブランド評価の要になっています」(向さん)
背景にある理念や素材が生産される過程にも目を向けて、“本当に信用できるもの”を選び取る―私たちひとりひとりのそんな意識が、社会をよくしていくと心得たい。
Keyword「トレーサビリティ」:産地と製法を見える化する責任あるものづくり
近年、聞く機会が増えた言葉「トレーサビリティ」。製品がどのような過程で、誰によってつくられたのかを「見える化」し、追跡可能な状態にすることを指します。
「私たちは、自分の健康と直結する食品については産地や製法に敏感です。服やジュエリーだって同じこと。ファッションは私たちを輝かせるためのものなのに、実は誰かが貧困に苦しみながらつくっているものだとしたら…ちっともうれしくないですよね。
身につけるアイテムひとつひとつの生い立ちが、健全なものであってほしい。それを生み出した人たちも、笑顔であってほしい。そんな考え方が消費者のあいだでも、特に若い世代で広がっています」(向さん)
ジュエリー業界では、ダイヤモンドの原産地、採掘と加工の工程をブランド側が明らかにする動きが顕著。私たちを魅了するダイヤモンドは、責任をもって採掘された社会的な透明性があってこそ、未来に向けて美しく輝くのです。
ティファニーの『エルサ・ペレッティ(TM) ダイヤモンド バイ ザ ヤード(TM)』(上)、ブシュロンの『エトワール ドゥ パリ』(下)
「ティファニー」のトレーサビリティへの取り組み
自社の個別登録ダイヤモンドの採掘地から研磨、セッティングまでの情報を開示している「ティファニー」。原石はオーストラリアやボツワナなどの信頼のおける供給先からのみ調達。
アントワープの自社工房で、熟練の職人が原石を選別している様子。ブルーボックスに収められるまでの一連の軌跡を写真で紹介する「ダイヤモンド クラフトマンシップ ジャーニー」は公式サイトで。
「ブシュロン」のトレーサビリティへの取り組み
「ブシュロン」では、新作リング『エトワール ドゥ パリ』の発表を機に、トレーサビリティへの取り組みをいっそう強化。最先端のアルゴリズム技術を導入し、より精度の高い原石の識別と、各工程の詳細な情報追跡が可能に。
ダイヤモンド技術の先進企業SARINEテクノロジー社との連携により、独自のデジタル証明書を発行。'25年までに、ダイヤモンド以外のすべての主要原材料のトレーサビリティを100%にする目標も。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 小池紀行(パイルドライバー)
- STYLIST :
- 金井あい
- EDIT&WRITING :
- 三尋木奈保、池永裕子(Precious)