清野恵理子さん好みに倣う、夏らしい贅沢な遊び心が冴える「きものと帯、帯揚げ、帯締めの “取り合わせ”」
本特集のスタイリストを手掛けた清野恵理子さんの着物選びには、上質で美しい布地から、力強く華のある文様、洗練された配色にいたるまで、清野さんならではの美意識が貫かれています。写真を見ているだけでも、ワクワクするほど素敵な清野さんの着物の「取り合わせ」。
まずは基本となる着物と帯を選び、そこに帯揚げを添え、最後に帯締めで仕上げる。そんな4つのアイテムにクローズアップしながら、夏着物ならではのおしゃれの極意に触れます。
「美しい絣が並ぶ越後上布、芭蕉布に染めた藍型の帯で極上の夏をまとう」───清野恵里子さん
ため息がもれるほど美しい伝統の布で涼を楽しむ夏きものの至福
「着物好き垂涎の的といわれる、越後上布。とりわけこの藍地に並ぶ細かな絣の魅力に圧倒されます」と清野さん。合わせた帯は、着物地と見まがうほど細い糸で織られた芭蕉布の地に、デイゴの花を藍の濃淡で型染したもの。清野さんの審美眼が選び抜いた、贅沢な夏のきものならではの取り合わせの妙味を。
黄色みと赤紫の調和。秋の文様が夏着物に優しい表情を添えて
くすんだ黄色とグレーの細かな二重格子の着物。帯には着物の色目と相性のいい、すくい織の帯の暗い赤紫の地色を。
「帯前に織り出された秋草の文様が優しく、一枝に慎ましく咲く白萩、その純白が鮮烈な印象を与えます」と清野さん。
数十年を経た美しい組紐の帯締めが鍵。優しい赤みを繊細に重ねて
絹紗の縞の着尺の中にある赤みのベージュを受け、絽縮緬の帯揚げを淡い枇び杷わ色に染めて。
「帯締めは数十年前の作品と思われる一枚高麗組。帯や着物、帯揚げの色も皆、美しく組まれた紐に使われたさまざまな色の中に見えて、調和しています」と清野さん。
清々しい着物の中のかすかな黄みになじませながら、効かせる夏の洗練配色
雪国の越後上布と双璧をなす、琉球の宮古上布。清野さんが選ぶのは「かすかに黄みを感じさせる縞のひと色に合わせた、黄地の芭蕉布の八寸帯。帯締めに鶸萌葱(ひわもえぎ)を差し色に加えることで、個性的な趣に」。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- 太田和 TEL:075-221-0543
- 丹後きものゑん TEL:0772-43-0298
- 三浦清商店 TEL:075-231-1529
- 道明 TEL:03-3831-3773
- シルクラブ TEL:03-3389-4301
- PHOTO :
- 浅井佳代子
- STYLIST :
- 清野恵里子
- EDIT&WRITING :
- 藤田由美、古里典子(Precious)