「むしたんばづき」ではありません!「蝉羽月」ってなんと読む?

明日・6月16日『和菓子の日』です。

西暦848年(承和15年・嘉祥元年)のこの日、時の仁明天皇が御神託に基づき、16の数にちなんだ菓子や餅などを神前に供え、「嘉祥」と改元した…という故事にちなみ、全国和菓子協会が制定した記念日です。

和菓子といえば、四季折々の美しい演出も魅力的ですよね?

昔からあるものでも、6月の異名から名づけられた和菓子・水無月(みなづき)は有名ですよね?

和菓子の「水無月(みなづき)」は、三角形のういろうの上にあずきが乗ったものです。
和菓子の「水無月(みなづき)」は、三角形のういろうの上にあずきが乗ったものです。

「水無月(みなづき)」の形状は、室町時代の宮中で、6月に、夏バテ防止に氷を食していた風習にもとづいています。

庶民は、当時は大変貴重であった氷は手に入れられませんので、

氷に模した白い鋭角的な形状の餅菓子に、邪気払いのあずきをのせ、滋養をつける夏バテ防止のお菓子として食べ始めました。これが現在まで続く和菓子「水無月(みなづき)」の原形だと言われます。

本日は「水無月(みなづき)のような、「6月の異名」から、日本語クイズをお送りします。

【問題1】「涼暮月」ってなんと読む?

6月の異名である「涼暮月」の正しい読み方をお答えください。

ヒント:すべて訓読みです。

読み仮名6文字です。
読み仮名6文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 涼暮月(ずすくれづき)です。

正解できましたか?
正解できましたか?

日本語の優美さを感じる、素敵な和風月名(わふうげつめい)ですね。

「暑さも感じるけれど、日が暮れる頃はまだまだ涼しい月」というイメージが、端的に表現されています。先人たちのセンスにため息が漏れますね…。

さて、2問目に参りましょう。

【問題2】「蝉羽月」ってなんと読む?

6月の異名「蝉羽月」の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「蝉羽」の読み方がポイントです。

読み仮名6文字です。
読み仮名6文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 蝉羽月(せみのはづき)です。

この異名、単なる「虫の、せみのはね」以上の意味がございます。

6月といえば、浴衣が着られるようになるシーズンの始まりですが、

着物も、6月から裏地のない単(ひとえ)や、盛夏には透けた生地など、「薄い素材」を着る時期に入ります。

そこで「蝉の羽のような、薄い着物の登場する月」という意味で「蝉羽月(せみのはづき)」なのです。

こちらも、日本語の感受性の繊細さにときめいてしまう、素敵な異名ですね!

*** 

本日は、6月16日『和菓子の日』のトリビアと、「6月」の異名となっている日本語から、 

・涼暮月(すずくれづき)

・蝉羽月(せみのはづき)

などの読み方をおさらいいたしました。
 

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/全国和菓子協会ウェブサイト
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ILLUSTRATION :
小出 真朱