「生兵法」って何と読む?「なまへいほう」でも間違いではありませんが…
明日・6月25日は『生酒(なまざけ)の日』という記念日です。
現在では、超精密濾過技術の応用により、以前は蔵元でしか味わえなかったしぼりたての酒の美味しさを、全国どこでも楽しめるようになりました。こうした歴史や、生酒の魅力を多くの人に知ってもらうことを目的に、老舗の日本酒メーカーが制定している記念日です。
日本酒もそうですが、技術や流通の進歩で、昔ではありえないような美味に触れることが可能になった現代。改めて、先人たちの偉業に感謝したいですね。
ちなみに「生酒」という表記、
「生酒(なまざけ)」と読むと「一度も火入れ(低温加熱殺菌)をしていない酒」を指し、
「生酒(きざけ)」と読むと「まぜもののない純粋な酒」という意味になります。
「生」という字、読み方でいろいろと意味が変化します。
…という事で本日は「生」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「生さぬ」ってなんと読む?
「生さぬ」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「血縁ではない」という意味の言葉です。
<使用例>
「生さぬ仲、とはよく言うけれど、私はお姑さんの事が人間的に大好きなの!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 生さぬ(なさぬ)です。
「生」という字「生す(なす)」「生さぬ(なさぬ)」という読み方をすると、「出産や血縁」に関連する意味を表します。
例文のように慣用的に言われる「なさぬ仲」は「生さぬ仲」と書き、「血縁ではない親子関係」、つまり、「まま親とまま子」を意味するのです。
「成さぬ」という字ではないので、「円満な間柄とはいえない」という広い意味の言葉ではありません。カン違いして使わぬよう、ご注意くださいね。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「生兵法」ってなんと読む?
「生兵法」という日本語の「なまへいほう」以外の正しい読み方をお答えください。
ヒント1:「じゅうぶん身についていない学問や技術。」などの意味を持つ言葉です。
ヒント2:「生兵法(なまへいほう)」という読み方も採用している辞書もあるものの、一般的には別の読み方のほうがポピュラーです。
<使用例>
「今回のライバルは、生兵法程度で勝てる相手ではありません。」
…さて、正解は?
「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 生兵法(なまびょうほう)です。
「生兵法(なまびょうほう)」は、もともと「中途半端に兵法(へいほう=戦術)を知っていること。」を意味する言葉で、「中途半端にしか身についていない技術や学問」を広く意味する言葉になりました。現代でも、ビジネス上でもプライベートでも、大人の会話にまま登場する言葉ですね。
この場合の「生」の意味は「生まれた時のままのような」で、転じて「未熟な状態」を指しています。
正解の「生兵法(なまびょうほう)」と読むのが一般的で、一部の辞書には「なまへいほう」という読み方も併せて採用されていますが、
「生兵法(なまびょうほう)」と発音したほうが無難ですので、こちらで覚えましょう。
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本日は、6月25日『生酒の日』のトリビアと、「生」という字の入った日本語から、
・生さぬ(なさぬ)
・生兵法(なまびょうほう)
などの読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/月桂冠株式会社ウェブサイト/『たのしいお酒・JP』(三菱食品株式会社)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱